刑事110キロ 2015.07.03


(子供たち)泥棒泥棒泥棒…!
(子供たち)泥棒泥棒泥棒…!
(子供たち)泥棒泥棒…!
(花沢太郎)どうしたの?
(宮根翔平)このおじさん自転車泥棒です。
(小畑八郎)いやいや違う違う違う…。
いや通りから見たらさこれイタズラされてたんで直してやろうかと思って。
君が上杉健太君?違います。
(子供たち)翔平!あっそう。
痛い!何?警察呼ぶよ。
もう来てるよしかも刑事が。
(子供)全然見えねー!いいかい?僕。
他人の物へのイタズラは器物損壊という犯罪行為なんだよ。
証拠はあるんですか?はぁ…証拠…。
いい?例えば犯人の手にサドルを外す時に付いた油が残っているとか?
(翔平)離せよ!おい離せよ!お前らも手伝え!あらららうわわわ…。
(翔平)逃げろ!こらっ!待て!こらっ!こら!あんたどうしてわかったんだ?あの子らだって。
473人。
え?僕が捕まえた自転車泥棒の数です。
ふ〜ん。
こんなデブっちょの刑事見た事ねえな。
おお?じいさん刑事に知り合い多いの?ああ。
ああ…表彰された事があるんだよ大泥棒を捕まえて。
へえ〜。
正義の味方だよ。
ほう〜。
(上杉健太)それ…僕の自転車…。
おっ。
ああ大丈夫大丈夫。
はい。
大丈夫大丈夫。
さようなら。
さようなら。
じゃあ俺も行くわ。
あれ?じいさんこの塾に用事があるんじゃないの?え!?いや別に。
通りすがり。
いや通りを歩いててこの場所は見えないはずだけど?そんな事いいじゃん別に。
はあ?「信じられるのは自分だけ」?
(パトカーのサイレン)
(鬼久保巌)背中を刃物で一突きか…。
(鬼久保)死亡推定時刻は?
(林弘太郎)昨夜の8時から10時です。
凶器は?見当たりません。
おそらく犯人が持ち去ったものと思われます。

(木内光義)課長。
昨夜の殺人事件ですけど…。
(錦織玲子)権田説明して。
(権田千夏)はい。
殺されたのは金子安雄50歳。
死因は刃物による失血死。
詐欺と恐喝の常習犯で前科3犯。
2年前に出所したばかりです。
被疑者の特定は時間かかりそうか?もう浮かんでいます。
小畑八郎68歳。
金子と同じ刑務所に服役していました。
現場に残された指紋が小畑のものと一致し鬼久保警部が勤務先に向かっています。
ムショ仲間同士のいざこざって事か。
うちの出る幕はないか…。
ちょっと行ってきます。
どこに?おい!花沢。

(作業音)小畑八郎さん。
警察です。
ちょっとお話いいですか?
(作業音)小畑さん!小畑さん!えっ!?はい?ちょっとお話いいですか?はあ?外に出て!え?金子が殺された!?昨夜の8時から10時どこで何をされてました?え?あんた俺の事疑ってるの?答えろ。
空き巣のハチこと小畑八郎さんよ。
やめてくださいよ。
もうこっちは足洗ってこうやって一生懸命ウィーンって働いてるんだから。
ゆうべは一晩中酒くらってたよ。
(林)それを証明する人は?
(小畑)いるわけないじゃんそんなの。
これと似たようなのが殺害現場にあったぞ。
林!鑑定回せ。
はい。
はい警部。
なんだお前!いつの間に!?
(小畑)あ!嘘ついたなじいさん。
泥棒自分じゃないか!知り合いか?なんなんだよ?あのじいさん気になるんです。
(鬼久保)出所して金子と再会したのが去年の春。
それからちょくちょくつるんで何を企んでた?いやまあお互い家族もないし励まし合ってたんだよ。
励まし合う…ハハッ笑わせんなよ。
最近相当揉めてたらしいじゃないか。
(金子安雄)おらっ!おらっ…!
(小畑)ああっ…。
なんで揉めてた?ん〜なんかちょっとアレだったからな。
だからその「アレ」を聞いてるんだよ!ん…なんかどうも忘れっぽくて…。
年のせいかな。
(ノック)
(林)失礼します。
結果が出ました。
(咳払い)金子のアパートに落ちてたのとさっきお前の工場で拾ったこれバッチリ一致したぞ。
それがどうした。
前に行った時のものだろう。
(鬼久保)部屋からお前の指紋も出てるんだよ!行きましょう木内っちゃん。
どこに?さっきも別の刑事さん来はったのにまたですか?金子さんはこちらの常連だそうですね。
最近この男とケンカしていたそうですけどその理由ご存じありませんかね?いやだから知りませんよ。
常連のお客さんって大体同じ席座ると思うんですが金子さんはどちらに?ん…大体ここですわ。
ああここですか。
よいしょ。
テレビがよく見える席だ。
そういうたら…ケンカする前金子さんテレビ見てはって金がどうとか…。
金の成る木。
金の成る木…?2人が見ていたテレビに金の成る木が映っていたのかもしれないな。
つまり金子は誰かを恐喝していた。
あっ権ちゃん?ちょっと調べてほしいんだけど。
わかりました。
(ため息)なんで私があいつに指示をされんのよ。
もしもしテレビガンバさんですか?こちら京都府警です。
5月13日14時に放送していた番組を知りたいのですが。
変ですね。
何が?この部屋あるべきものがない。
あるべきもの?はい。
赤丸のついた競馬新聞はあるのに赤ペンがありません。
外でつけたんだろ。
灰皿はあるのにライターもマッチもない。
栓抜きも見当たらないなあ。
全部指紋がつきそうな物ばかりだ。
金の成る木?金子は恐喝の常習犯です。
最近も誰かを脅してたんじゃないでしょうか。
誰かって誰?それを今権ちゃんに調べてもらって…。
(千夏)時間帯からいって中華屋で金子と小畑が見ていたのはこの番組です。
この中に金の成る木が映っていると思います。

(テレビ)
(テレビ)「今時代に逆行するスパルタ式の学習塾が人気を博しています」あれ?この人どっかで見たような…。
京都俊英スクール塾長上杉慶一だ。
有名なスパルタ塾で…。
うちも娘を入れようと思ってるんだけど。
(上杉慶一)「だから信じられるのは自分だけ!」この上杉が金子の金の成る木…。
この塾…。
この塾がどうかした?僕と小畑が会ったのこの塾の自転車置き場です。
やっぱり入れた方がいいのかな…。
ダンスを辞めさせる?頑張ってるのに。
(木内菜穂子)そういう親の考えが邪魔なんだって。
中学受験させるなら習い事なんかの余計な人間関係は邪魔だって。
この塾の説明会で言われたの。
でも親も邪魔ってのはちょっとなあ。
この塾なんか変だわ。
いやまあ多少極端かもしれないけど勉強に集中させるには…。
ああ息苦しい。
ああ息が詰まる…。
おい大丈夫か?死ぬわけじゃないけど…。
は?
(翔平)刑事さん。
ああっ!この間はすみませんでした。
(3人)すみませんでした。
なんだよ素直じゃないか。
わかればいいんだよわかれば。
ねえいいもの見せてあげる。
ん?
(翔平)来て。
何何何何?
(子供たち)来てよ来てよ来て…。
なんだよなんだよアハハハ…。
押すなよアハハハ…。
(翔平)入って入って!
(子供たちの笑い声)
(翔平)ひっかかりやがった!
(子供たちの笑い声)こらーっ!
(広澤宗孝)申し訳ありませんでした。
いえいえ。
副塾長の広澤です。
しかしとんでもない悪ガキですね。
宮根翔平君はあれでも全国1位の成績なんですよ。
はあ〜。
1位とか関係ないでしょ。
なんですかさっきのは?実験教室でスライムを作りまして…。
え!?塾で実験もするんですか?今は将来就職に有利な理系に進ませたい親御さんが多いんで実験教室はどこも大人気なんですよ。
はあ〜。
(上杉)お待たせしました。
塾長の上杉です。
京都府警の木内です。
花沢です。
ああどうも。
どうも。
どうぞ。
それで警察の方がどういったご用件でしょうか?殺人事件の捜査なんですがご協力願います。
この2人なんですが…見覚えありませんか?さあ…。
ご存じありませんか?知りませんね。
そうですか。
それだけですか?すみません私はこれで。
あとはお前の方で適当に。
あの…「信じられるのは自分だけ」っていうのはどういう意味ですか?おい…。
うちの教育方針が事件と何か関係が?なんだか大人をバカにしたような子が多いので。
日頃からバカな大人にバカと言っては角が立つとは教えてるんですがね。
すみません。
昔から不器用な奴で…。
不器用じゃなくて失礼です!花沢!では我々はこれで。
あっ!刑事さん。
あの…来ました。
この男。
えっ!?ここに?3か月ほど前でしたか…。
確か上杉を訪ねて。
その時上杉は不在でしたので帰って頂きました。
そのあと会ってたかどうかはわかりません。
じいさん。
おお。
デブっちょか。
花沢だよ。
ダンマリ始めたんだって?まあどうせ俺の言う事なんか誰も信じてくれねえからよ。
昔の調書読んだよ。
じいさん何百件も空き巣に入ったけど一度も人は傷つけなかったんだって?まあそれが俺のポリシーだったからな。
ポリシーって…。
(小畑)あんた俺の事信じるのか?じいさんは嘘つきだけどそれだけは本当な気がする。
変な刑事だな。
捜査一課じゃ浮いてるだろ?これでも期待の新人だよ。
あ…新人?じゃあ俺が刑事の心構えっていうのを教えてやろうか。
うん。
犯人はな人生かけて体張ってんだ。
そこへお仕事してます!みたいな顔してよDNA鑑定とか科学捜査とか持ってくるような腰抜け刑事には腹割らねえんだよ。
おお。
あくまでも人間対人間。
この刑事ならなんでも腹割って話そうと思われるようなそういう刑事になれよ。
はい。
何?差し入れ。
いい事教えてやったんだ。
何言ってんだよ。
いいからちょっとこれ見て。
知ってるよね?僕と会ったのこの俊英スクールの自転車置き場だよね?ん…そうだったかなあ。
3か月前に金子がここの塾長を訪ねて行ってた事がわかったんだよ。
じいさんなら何しに行ったか知ってるんじゃないかと思って。
さあ…。
ただいまー。
(木内かなえ・こずえ・さちえ)パパおかえりなさい!いい子にしてたか?じゃ〜ん!今日のお土産は特大シュークリームだよ。
(3人)やったー!集合集合。
いくよ〜。
ほら。
(3人)うわ〜っ!はいストップ。
これはご飯のあとで。
(3人)え〜。
花ちゃんいつもありがとう。
いえいえいえ。
すぐご飯にしますね。
すみません。
(かなえ)花ちゃんこっち来て。
え!?何何何…?何何?
(ため息)
(かなえ)せーの!うわっ!さちえ自転車買ってもらったの。
ええ〜よかったねさっちゃん。
あらかわいいピンクだこれ。
(菜穂子)家の中で乗っちゃダメよ。
怒られちゃった。
元の位置へよし。
《きうちさちえ》
(受付)はい。
京都俊英スクールでございます。
(広澤)お疲れさまでした。
(受付)広澤さんお電話です。
はいはい。
もしもし。
花沢さん。
上杉は外の会議に出かけてますが…。
ちょっとお聞きしますが塾長の上杉さんってお子さんは?いますよ。
健太君といいますがそれが何か?あっ…いえなんでもありません。
ありがとうございました。
(玲子)孫?誰の話?ですから上杉健太君ですよ。
小畑が直してあげていた自転車は孫の健太君のものだったんです。
わかるように説明しなさい。
権ちゃん僕が依頼した調査内容課長に報告。
戸籍を調べてみたところ小畑には離婚した妻と子供がいました。
子供の名前は慶一。
そうそれが京都俊英スクール塾長の上杉慶一なんです。
離婚してから2年後母親が死亡。
子供の慶一は親戚に引き取られ上杉姓に変わっています。
小畑と上杉が親子!?これをですねこの僕は小畑が直してあげていた自転車の上杉健太という名前からピン!と来たわけです。
離婚の原因は?空き巣の常習犯小畑の2度目の逮捕が原因です。
小畑が健太君に見せたあの笑顔。
大丈夫大丈夫。
(花沢の声)あれはとても他人を見る顔じゃない。
(鬼久保)知らない?
(女性警官)知らないですよ〜。
ダブルデート中申し訳ない。
鬼久保さんにも一応知らせておくとしよう。
なんだ!?相撲部屋。
(鬼久保)驚いたね〜。
お前にあんな立派な息子がいたとは。
息子?そんなものがいた事も忘れてたよ。
悲惨だよなあ。
小畑よお前みたいなクズが親父だなんて。
それネタに強請られたんじゃたまったもんじゃない。
足引っ張られるばかりでいっそ死んでくれって思うよな。
おい何が言いてえんだよ。
あっ!あの息子もガキの頃はお前が人様から盗んできた金で育ったのか?ふ〜ん。
ああ見えて中身はクズが伝染してるのか?う〜んクズでも息子を侮辱されると怒るのか?
(鬼久保)自分のせいで強請られたら殺したくなるか?いや俺はやってないよ。
息子には会ってない。
こんなもん工場のロッカーにしまってんじゃねえか。
勝手に持ってくるんじゃねえよ。
いい写真だ…。
お前も嫁さんも息子もフフ…笑ってる…。
そりゃあ悔やむよなあ。
自分のせいでかわいい息子が困ってる。
なんとか…!なんとかしてやりたい!うんうんうんうん…!親として当然だ!金子のしつこさは昔からよ〜く知ってた!一度狙った獲物は離さない。
しつこくて蛇みてえな野郎だ!大事な息子を守るには殺すしかない…!お前がやったんだな?演説は終わったのかい?昨日嘘をつきましたね?実の父親を知らないなんて…。
(上杉)そんな奴いた事も忘れてました。
お父さんと同じ事を言ってる。
父親の資格なんてあいつにありません。
犯罪者ですよ!?その事で…この男に脅されたのではありませんか?父親が犯罪者だと公表すると…。
私はね…母が死んだあとに親戚中をたらい回しにされ叔父に引き取られました。
ああ…これでやっと落ち着けると思った頃にまた「お父さんが空き巣で捕まったよ」って…。
その度に後ろ指をさされる。
泥棒の息子ってね。
でもねおかげでわかったんです。
この世で信じられるのは自分だけだと。
あなたが苦労されたのはわかりますが…。
子供の人生は大人によって翻弄される。
自分の未来は自分で守るしかないんです。
それで…塾を?うちに通う子供たちを受験戦争で勝利させエリートの側に立たせる。
それが私の使命です。
わかったら帰ってください。
信じられるのは自分だけ…。
(上杉)はい?だからあなたは自分の息子がいじめられていても放っておくんですか?息子?なんの話です?あなたのお父さんは健太君が自転車にイタズラされているのを助けてあげていたんですよ!あなたが何も知らない間に…!関係ないでしょう!人のプライベートにずけずけと!まあまあ…。
では一つだけ。
おとといの夜8時から10時あなたはどこで何をしていましたか?私のアリバイ?一応形式だけですから。
この塾長室にずっとこもって参考書の監修作業をしていました。
広澤に確認してください!
(翔平)ふざけんなよ!おおっ…。
走っちゃダメ!
(翔平)間違ってるって言われてんだろ!早く書き直せよ!僕ちょっと行ってきます。
木内っちゃん広澤さんお願いします。
(翔平)何考えてんだよおい!おいふざけんなよ!こらっ!うわっまた来た!インチキ刑事!またお前たちか!
(子供たち)インチキ刑事!インチキ刑事!
(子供たち)インチキ刑事!インチキ刑事!そんなんで張り込み出来るわけないじゃん!デブ!何〜!?こら!うわ〜!こら!上杉健太君だよね?なんで…怒んないの?平気…だから。
これが上杉さんの車ですか。
ええ…。
それが何か?上杉さん出かける時はいつも車で?大体は。
おとといの夜上杉さんが外出した様子はありませんでしたか?受付から誰にも見られずに外に出るのは無理ですね。
そうですか。
あっ。
まあ…屋上からの非常階段はありますけど。
非常階段?いったん…屋上に出て階段から駐車場に出られるんです。
でもそこは普段あんまり使ってないですし…。
案内して頂けますか?ええ。
どうぞこちらへ。
木内っちゃんお待たせ!この屋上を抜けていきます。
どうぞ。
気をつけてくださいね。
ここから非常階段に繋がっています。
大丈夫ですか?暗いですから足元気をつけてください。
ここを抜けると駐車場です。
…という事ですね。
どうもありがとうございました。
失礼します。
これなら人に見られずに外に出られますね。
どこかに防犯カメラがあれば…。
(千夏)あっ…。
20時30分上杉が車に乗り込んでます。
21時15分戻ってきてるな…。
これで上杉のアリバイはなくなった…。
20時30分から21時15分までの45分間上杉はどこへ行っていたのか…?45分間で上杉に犯行は可能…?おはようございます。
(上杉)またですか?あいつが自白でもしましたか?いえ。
あなたのアリバイが崩れたのでその報告に。
私のアリバイが崩れた?3日前の夜屋上から非常階段を使って出かけましたね?防犯カメラであなたが車に乗り込む姿を確認しました。
時刻は夜8時半。
どこへ行ったのか話して頂けますか?プライベートです。
申し上げる義務はない。
ではなぜ外出していないと嘘をついたんですか?こっちは仕事の事で頭がいっぱいなんです。
何度も何度もわけのわからない刑事につきまとわれて不愉快だ!こっちだって不愉快だ。
あなたもこの塾も息苦しいしぎすぎすしているし…。
僕は嫌いです。
大嫌いですね!じいさんの息子に会ってきたよ。
フン。
どうせ死んでくれとか言ったんだろ?恨んでるって。
そりゃそうだろうな。
悪いけど嫌な奴だね。
じいさんの息子。
俺には関係ないよ。
アリバイが崩れたんだよ。
犯行時刻に外出している事がわかった。
でもどこで何をしてたか言わないんだよ。
俺が…俺が金子を殺した。
凶器を捨てた場所はな…。
(鬼久保)先先!先へ…!
(林)はい!
(林)警部!
(鬼久保)やりぃ!
(林)これは…!?
(玲子)そう。
ご苦労さま。
小畑の供述した場所から凶器が見つかった。
違う。
あの人息子をかばってるんです!その根拠は?だったらどうしてちゃんと裏取ってから動かなかった?凶器も出た。
動機もある。
どう崩す?上杉がどこへ行ってたかはまだわかってません。
アリバイが不明ってだけで上杉がホンボシだって言うの?あんたが余計な事話して…自白に追い込んだのよ!これは小畑で決まりかな…?僕は息子が絶対怪しいと思うんだよな…。
(鈴春)占いまひょか?おっおい…。
千円!千円。
ウフフフフ…。
じいさんいつか息子に会って謝りたかったんじゃないかなあ。
でも勇気がなくてただ遠くから眺めてた。
(藤原あかね)刑務所出て更生したて言うたかてそうそう会いに行けまへんわなあ。
さすがあかねさん。
よくわかってる。
おい。
いいやんかめへんかめへん。
うちはちゃ〜んと務めあげたんやさかい。
ちょっとも気にしてまへん。
でも父親って子供のためならなんでも出来るもんなんですかねえ。
当たり前だ。
全力で守るさ。
その時思いつく限りの事をしてな。
その時思いつく限りの事を…。
親ならみ〜んな一緒。
子供の笑顔が見たいだけ。
はい。
凶器の他に持ち去ったものが見つかったって言ってましたよね?うん。
一係が保管してる。
それだ!あなたのお父さん小畑さんが自白しました。
とうとう殺人犯ですか。
いえ。
あなたをかばっていると思われます。
あなたのアリバイが崩れたと聞いて慌てて自白したんです。
(ため息)どうしても私を犯人にしたいようですね。
あの夜あなたはどこで何をしていましたか?ですから事件と関係ありません。
なぜ言えないんですか?このままだとお父さん殺人犯になってしまうんですよ?そんなのあいつの勝手です。
殺人犯でもなんでも勝手になればいいんだ。
これを見てください。
なんですか?これ。
それは全部小畑さんが現場から持ち去ったものです。
なぜそんなものをやみくもに持ち去ったと思います?これ僕の想像なんですが…小畑さん何か見つけたんじゃないでしょうか。
殺人現場にあったあなたの落とし物を…。
慶一…。
あなたの犯行だと確信した小畑さんは現場を偽装し…。
他にも何か落としたのではないかとそこら中のものを手当たり次第に持ち去ったんです。
28年も会わない息子がどんなものを身に付け何を落としたのかわからない。
息子の痕跡を消そうと…息子の犯行だと知られないよう必死に拾い集めたんでしょう。
バカな奴…。
スプーンなんか普通落とすかよ。
あなたを守ろうとその時自分が出来る事を必死に考えたんです!あの夜どこでどうしていたのか教えてください。
お話しするつもりはありません。
お引き取りください。
(健太)パパおかえり!
(上杉)ああ。
これおじいさんが落とし物拾ったからパパに渡してって届けてくれた。

(上杉)「大丈夫大丈夫」…。
(小畑の声)大丈夫だよ。
大丈夫。
パパおはよう。
うん。
健太。
お前この時計届けに来た人を知ってるのか?その人が塾でお前の自転車を直してくれてたんだな?うん。
お前塾でいじめられてるって本当か?なぜ黙ってた?そんな生徒すぐに辞めさせるのに。
翔平君は…全国1位だから…。
翔平君は一番難しい中学も合格出来るから…。
翔平君が塾を辞めて他の塾へ行ったらパパが困るから…。
パパのため…?課長おはようございます!上杉のアリバイが証明されました。
え?は?私がひらめいて私が調べました。
どうやって?上杉が出かけていたのは午後8時30分から9時15分までの45分間。
その間車で往復出来る範囲の京都市内の駐車場と現場周辺の防犯カメラの映像を全て取り寄せ解析しました。
それで?京都リーベンホテルの駐車場。
事件現場とは正反対の方角です。
えっ?京都リーベンホテルにも確認を取りました。
その時間上杉はラウンジで誰かと会っていたそうです。
つまり上杉に犯行は不可能です。
そんな…。
じゃあ…上杉はなぜそれを隠してたんだ?花沢!はい。
何してんの。
早く行きなさい。
え?その事を一番に伝えなきゃなんない人がいるでしょ?息子をかばってるっていうもう一つのあんたの読み。
そっちは間違ってなかったんじゃない?じいさんの息子は犯人じゃなかった。
別の場所にいた事がわかったんだよ。
えっ本当かよ?それ。
うん。
だから本当の事言ってよ。
ああ…なんだ俺はまたてっきりもう…。
なんで息子の仕業だと思ったの?いや時計が落ちてたんだよ。
時計?うん。
倒れてる金子の横にあいつの腕時計があったんだよ。
慶一…。
どうして息子のだってわかったの?
(小畑の声)ポスターの中でしてるやつだから。
あいつさなんか気に入ったらそればっかり大事にする奴なんだよ。
子供の頃もミニカーが壊れてもそればっかりで遊んでて新しいやつ買ってやっても全然見向きもしないんだよ。
だからああ変わってねえなと思って。
ふぅ〜ん…。
それで他にも落としたものがあるんじゃないかって凶器と一緒に持ち出したんだ。
でも腕時計は返したんだよね?大事にしてるもんなくすとあいつ悲しい顔するんだよ。
だから返してやりたくて…。
じいさん…。
金子があいつに目をつけたのも俺のせいだから。
塾に何度も行ってたから?うん…。
初めは慶一の顔をひと目見ようと思って行ったんだけど…。
健太の自転車がイタズラされてたんでそれを直しに何回も行くようになった。
それを金子に嗅ぎつけられたんだね。
(金子)なんだこれは?ん?「京都俊英スクール」…。
進学塾かよ。
いやなんでもないんだこれは。
おい!なんかあるんじゃねえか?ないないない。
いいんだ。
(小畑の声)金子にはごまかしたつもりだったんだけど…。
テレビに出ている上杉さんを見て金子が「金の成る木」と言った。
金の成る木…。
(上杉)「どうも。
ようこそお越しくださいました」
(小畑)俺のせいで慶一が強請られてるんじゃないかと思ってあの夜勘弁してくれって頼みに行ったんだよ。
(小畑)おい金子!だけどよかった。
慶一じゃなかったんだ。
ハハ…。
でも…じゃあ誰が金子を…?
(千夏)課長!組織対策課がマークしていた裏カジノの常連客リストに京都俊英スクールの副塾長広澤宗孝の名前がある事がわかりました。
広澤が!?借金も相当額ありそれを返すために塾のお金を横領した疑いがあります。
横領?京都俊英スクールの経営状況を調べるとビルの賃借料や印刷会社への支払いに遅れが出ています。
それと例のテレビ番組ですが映っていたのは上杉だけではありません。
広澤もしっかり映ってましたよね!!
(上杉)「どうも。
ようこそお越しくださいました」金の成る木は広澤だったのか…。
権田。
一係と連携して広澤の周辺徹底的に調べて。
(千夏)はい。
(玲子)木内と花沢は上杉に時計を紛失した時の状況を確認して。
(2人)はい!あなたの腕時計どこで誰に盗まれたのか心当たりありませんか?
(上杉)この時計防水じゃないものでいつも手洗いの時にここで外す癖があって…。
あの日も…?
(上杉)はい。
(ノック)
(上杉)はい。
京都平安銀行の方が融資の件でお見えになっていますが…。
(上杉)ああ。
それを盗める人間は…。
(上杉)広澤だと思います。
(上杉)一番信頼していたのに…。
花沢さん。
私もこの塾も変だとおっしゃいましたね?いやその…。
おっしゃるとおりです。
目先の合格数ばかりにこだわって子供たちに息苦しい思いをさせ仲間にも裏切られ…。
しまいには私自身不正に手を染めた。
不正?
(上杉)あの夜私は京都リーベンホテルで玄武付属中学の教頭に会っていたんです。
金を払って来年の入試問題を手に入れる契約をして…。
入試問題の不正入手?合格者を増やしたかったんです。
だから言えなかったんです!学校から告訴されればあなたも罪に問われる事に…。
構いません。
どうしてそんな事までして…。
生徒を増やすためには合格実績を上げるしかなかったんです。
焦ってました。
とっくに腐ってたんです。
私もこの塾も…。
きれいさっぱり清算します。
私は…この塾を閉めます。
花沢さん。
一つだけ…お願いがあります。
はい。
広澤が!?
(刺す音)うわあっ!あっ…!鬼久保警部!ああ?金子安雄殺害容疑で京都俊英スクール副塾長広澤宗孝の逮捕状を請求。
金子が強請ってたのじいさんの息子じゃなくて広澤って男だったよ。
結局全部俺の勘違いだったって事か。
そう。
じいさんの早合点。
でも慶一…。
あんたの仕業か。
頼まれちゃったんだもん。
いや俺…合わせる顔がないよ。
ありがとう!あなたのおかげで大事なものをなくさずに済みました。
ええ…あっ時計か。
あのまま子供たちを不正な手段で合格させたら取り返しのつかない事になってた。
あなたのおかげで途中で立ち止まる事が出来たんです。
俺の事を命がけで守ろうとしてくれて…ありがとう。
でも大事な塾が…。
大したものじゃなかったんだ。
一からやり直すよ。
「大丈夫大丈夫」だろ?父ちゃん…住むか?一緒に。
健太もなついてるし…。
いや。
俺は子守りはごめんだよ。
そうか。
じゃあ俺忙しいから。
じゃあな。
おいじいさん!なんで素直にありがとうって言えないんだよ!柄じゃねえからよ〜。
息子のために殺人犯にまでなろうとしたくせに。
いやそれは違うよ。
え?俺は息子だからかばったんじゃねえんだよ。
あいつが父親だからだよ。
いやもう二度と父親のいない子供を作りたくなかったんだよ。
まあ俺が言えた立場じゃねえけどさ。
じいさん…。
でも…信じてくれてありがとう。
刑事さん…。
あばよ。
2015/07/03(金) 09:55〜10:53
ABCテレビ1
刑事110キロ[再][字]

「あるべきものがない殺人現場!京都に散った親子の絆」

詳細情報
◇番組内容
京都の町で人気のおまわりさんが、ある日突然、刑事に!?石塚英彦が、20年の交番勤務で培った洞察力と人間観察力を生かして難事件に挑む、“規格外”の刑事を演じる!
◇出演者
花沢太郎…石塚英彦
木内光義…中村俊介
権田千夏…星野真里
鬼久保巌…石丸謙二郎
林弘太郎…陳内将
鈴春…石井トミコ
木内菜穂子…井上和香
白石あかね…竹下景子
錦織玲子…高畑淳子

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
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日本語
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