「二度と死を選ばないために」うつ病等で苦しむ人々の間で広まる“セミコロン・プロジェクト”とは

2015年07月05日 19時00分

2015年07月05日 19時00分

The Semicolon Project
The Semicolon Project

海外では手首や腕などにセミコロン(;)の印をつけている人が増えているという。これは精神的に苦しんでいる人の、団結と意志を示すものだ。

二度と死を選ばないために記す

きっかけとなったのは、精神衛生に関わる非営利団体が催したキャンペーン「セミコロン・プロジェクト」。

セミコロンとは「句読点」「区切り」を表す。つまりうつ状態や不安症、自殺願望、近親者の死による喪失感で苦しむ人たちが、手や首、腕などにこれを記すことで、以前の自分に区切りをつけ、二度と死を選ばない決意を示すための試みだ。

病気を抱えている人なら参加は自由。セミコロンをタトゥーとして皮膚に刻んでも良く、サインペンなどで一時的に書いてもいい。その画像をプロジェクトのインスタグラムに投稿し、自身の経験も語ることで、多くの人が勇気づけられている。

昨年、開始してから世界中に広まる

プロジェクトを立ち上げたのは精神衛生の専門家である、チャーリー・チャンドラー氏とマシュー・ウィルス氏。2013年の4月16日に始まって以来、このウェブサイトは73万人にシェアされ、実際に数千人が参加し、世界規模で広がりを見せている。

参加した__x.ebさんも自身のインスタグラムの中で「私は明日、人生の最も深い闇に打ち勝ってきた象徴として、セミコロンのタトゥーを入れるつもりです。私はこれからも常にうつ病に苦しむでしょう。でも、もう自殺したいとは思っていません。私の人生の時間は、まだ終わっていない」とコメントしている。

厚労省の発表によれば、日本でも平成20年には104.1万人がうつ病にかかっているという。このような活動が広がり、少しでも精神的に苦しんでいる人々が勇気づけられ、さらに手厚い対策が取られることを望む。