もう一つの感染リスク､ギリシャがユーロ圏離脱後に繁栄したら

2015/07/03 19:57 JST

　　（ブルームバーグ）：ほとんど聞いたことのないシナリオだが、もしギリシャがユーロ圏を離脱した後に繁栄したらどうなるだろう。

口に出すのもばかばかしいようなシナリオかもしれない。エコノミストらはギリシャがユーロ圏を離脱してデフォルト（債務不履行）すれば金融市場からますます見放され経済恐慌と破産、失業、社会不安が待っていると警告している。

ギリシャの痛みを見てスペインやポルトガルは恐れをなし、ユーロ圏にとどまるためドイツ風の緊縮と経済改革にますます励む、というのが常識的な見方だ。

しかしオックスフォード・エコノミクスとシティグループのエコノミストが今週、ギリシャが２年ほどで立ち直って通貨安をてこに経済を成長させたらどうなるかと問い掛けた。

そうなればユーロ圏を出ていくのは経済的自殺だという説が怪しくなり、他のメンバー国も安い自国通貨とデフォルトを選択する方がユーロ圏の中で生きていくより魅力的だと考え始めることもあり得る。これは、ギリシャがユーロ圏に居残る以上のリスクを通貨同盟にもたらしそうだ。

「経済の視点からは、ギリシャ離脱からの最大のリスクの一つは同国経済がユーロ圏を離れてから早期に強く成長し始めることだ」とオックスフォード・エコノミクスのベン・メイ氏は指摘。「そういうシナリオでは、ユーロ圏の一段の分裂が進む可能性が半分以上になるかもしれない」という。

シティのエコノミストらは、「ギリシャ経済が目に見えるほどに回復した場合」、最低でも「他の諸国で反主流の勢力への支持が高まるだろう」として、スペインの反緊縮政党ポデモスを例に挙げた。

原題：The Other Contagion: What If Greece Thrived After Euro Exit?（抜粋）

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