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【社会】憲法学者15人 リレートーク 雨の国会前「平和主義終わらせない」
安全保障関連法案の審議が続く国会の前で、法案に反対する憲法学者ら十五人が三日、リレートークを行いスピーチで「立憲主義に対する暴挙」などと批判した。学生らのグループ「SEALDs」(シールズ)の抗議行動にも約三千人(主催者発表)が国会前に集まり「強行採決にやっきになっている人は人の話を聞いて考え直してほしい」と訴えた。 リレートークの呼び掛け人は石埼学・龍谷大教授、永山茂樹・東海大教授、西原博史・早稲田大教授の三人。樋口陽一・東大名誉教授ら憲法学の第一人者が六月に入り、国会前で反対の声を上げたことに触発されて企画した。 首都圏や関西などの大学に所属する憲法学者らが参加。時折雨が強まる中、九条の条文を記したパネルを置いて、ビール箱の上から、約百五十人の市民の前で法案への意見を述べた。 「日本を戦争する国に変える法案を平和安全法制と呼ぶのは、真実を虚偽の言葉で隠蔽(いんぺい)し国民を愚弄(ぐろう)する行為だ」と批判したのは、稲正樹・国際基督教大客員教授。「憲法が定める戦後の平和主義を、この夏で終わりにさせないために闘おう」と訴えた。 藤野美都子・福島県立医大教授は「原発を再稼働しようとしている場合か。命や生活に責任を取らない政治家がこうした法案を出し、国民を犠牲にすることを見過ごせない」と憤った。 シールズの集会では、若者らが次々にマイクを握り「全世代の人が怒っている」と主張した。 ◆全参加者の発言(登壇順)稲正樹・国際基督教大客員教授 憲法の規範性を極限まで切り詰めるのは主権者の国民を愚弄(ぐろう)している 中川律・埼玉大准教授 現政権には自分たちが憲法に縛られているという感覚がない 志田陽子・武蔵野美大教授 集団的自衛権行使は他国の民間人にも深刻な巻き添えを出してしまう 三輪隆・埼玉大名誉教授 憲法九条が守られてきたのは平和運動があったからだ 大津浩・成城大教授 政府が説明をせずに憲法解釈を変えたことは我慢がならない 渡辺弘・活水女子大准教授 「教え子を戦場へ送るな」が、まさに投げ捨てられようとしている 清水雅彦・日体大教授 政権が無理なことをしようとしているから、研究者が声を上げている 藤野美都子・福島県立医科大教授 国会論議は不毛。憲法の理念具体化に力を尽くすべきだ 石川裕一郎・聖学院大教授 きちんとした人間を育てることこそが本当の意味での安全保障だ 斉藤小百合・恵泉女学園大教授 立憲主義の破壊が起こりつつある。憲法を壊すことは、国を壊すこと 渡辺洋・神戸学院大教授 憲法規範を守り権力が乱用されない国であり続けられるかの瀬戸際だ 長峯信彦・愛知大教授 九条の徹底した平和主義が世界共通理念となるよう努力すべきだ 石埼学・龍谷大教授 他国防衛を認める法案が通れば、もはや「自衛隊」と言えない 藤井正希・群馬大准教授 武器を持たない平和外交で世界の敬意を集め、国を守るべきだ 建石真公子・法政大教授 世界で最も多く集団的自衛権を行使してきた米国追随は危険 PR情報
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