カイロ=翁長忠雄
2015年7月5日21時56分
過激派組織「イスラム国」(IS)の少年兵が、シリア中部パルミラにある古代ローマ遺跡の円形劇場で、アサド政権軍兵士25人を射殺する様子を撮影したとみられる動画が4日、インターネット上に投稿された。世界遺産を利用して「公開処刑」することで国際社会に力を誇示する狙いがあるとみられる。
映像は9分47秒。拘束された兵士25人が刑務所から円形劇場に移送される。舞台にはISの旗が掲げられ、その前で兵士たちはひざまずかされる。10代と思われる少年兵たちが25人の背後からピストルを一斉に発射する。観客席では数百人が処刑を見つめた。その後の映像では反体制派が収監されていたとされる刑務所は爆破される。
「公開処刑」の時期は不明だが、英国を拠点とするNGO「シリア人権監視団」は住民情報により5月27日としている。ISは同20日にパルミラ制圧を宣言した。ISは世界遺産近くに地雷や爆発物をしかけたが、遺跡そのものが破壊されたとの情報はない。(カイロ=翁長忠雄)
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