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「明治日本の産業革命遺産」世界遺産に登録決定
7月6日 2時09分

「明治日本の産業革命遺産」世界遺産に登録決定
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ドイツで開かれているユネスコの世界遺産委員会は、福岡県の八幡製鐵所や長崎県の三菱長崎造船所など、8つの県の23の資産で構成する「明治日本の産業革命遺産」を世界遺産に登録することを決めました。
ドイツのボンで開かれているユネスコの世界遺産委員会は、日本時間の5日午後10時すぎから「明治日本の産業革命遺産」について審議を始め、世界遺産に登録することを決めました。
登録が決まった「明治日本の産業革命遺産」は、福岡県の八幡製鐵所や長崎県の三菱長崎造船所など、九州の5つの県と、山口、岩手、静岡の各県にある合わせて23の資産で構成され、西洋で起きた産業化が非西洋国家の日本に伝わり、初めて成功した例として歴史的な価値が認められました。
この遺産群を巡っては、韓国が「遺産群の中には強制徴用が行われた施設がある」と主張し、審議の中でこの趣旨の発言をする動きを見せたことから日本との間で調整が難航し、日本時間の4日夜に予定されていた審議は1日先送りされました。しかし日本が韓国と調整を続け、韓国の政府関係者は、審議入りを前に日本側と合意したと述べていました。
世界遺産への登録が決まったあと、日本の佐藤地ユネスコ大使は「1940年代に一部の施設で大勢の朝鮮半島の人々などが意に反して厳しい環境下で労働を強いられた」としたうえで、「この犠牲者のことを忘れないようにする情報センターの設置など、適切な措置を取る用意がある」と述べました。このあと、韓国の代表団を率いるチョ・テヨル第2外務次官は、日本側が言及した措置について、世界遺産委員会に対し、確実に実行されるか検証するよう求めました。
今回の決定で日本にある世界遺産は、文化遺産と自然遺産合わせて19件となります。

首相「心からうれしく思う」

安倍総理大臣は「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産への登録が決まったことを受けてメッセージを発表し、この中で、「『明治日本の産業革命遺産』の世界文化遺産への登録を心からうれしく思う。海外の科学技術と自国の伝統の技を融合し、僅か50年余りで産業化を成し遂げた日本の姿は世界でもけうであり、人類共通の遺産としてふさわしい、普遍的な価値を持つものだ」としています。
そのうえで、「資産の保全に取り組み、支援してこられた地域の方々や、100年を超えて資産を稼働させながら維持し、保全に取り組んでこられた企業の皆様に深く敬意を表する。『ものづくり国家日本』の原点であり、先人の偉業を伝えるすばらしい遺産の保全と次世代への継承に向け、決意を新たにしたい」としています。

石破大臣「管理保全に万全を期す」

内閣官房の世界遺産登録推進室を所管する石破地方創生担当大臣は「登録が決定したことを大変喜ばしく思う。この遺産は、日本が西洋から非西洋地域への産業化の伝ぱに、世界で初めて成功したことを示す、世界遺産にふさわしい価値のあるものとして評価された。政府としては、関係各位と連携しながら、世界遺産としての管理保全に万全を期す」という談話を発表しました。

「8県11市が協力して取り組みたい」

「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産への登録が決まったことについて、ドイツのボンを訪れている鹿児島県の伊藤知事は記者会見で、「九州・山口を中心とした地方主導のプロジェクトが実を結び、大変喜ばしい。先人たちの偉業が改めて評価されたものであり地域の誇りになると考えている。関係地域が結束して次の世代に継承するとともに地域の発展に生かしていきたい」と述べました。
また、鹿児島市の森博幸市長は「これまでの皆さんのいろんな思いが決定の瞬間に成就したと思って、本当にうれしくてたまりませんでした」と喜びを語りました。そのうえで、「多くの人たちに、それぞれの地域に来ていただくために8県11市が協力して受け入れ態勢にもしっかりと取り組んでいきたい」と話していました。

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