【カイロ=共同】38人が死亡したチュニジア中部スースのホテル襲撃テロを受け、同国のカイドセブシ大統領は4日、非常事態宣言を発令し、テレビ演説で「国は戦争状態にある」と述べた。軍や警察など治安当局の権限を強化、治安回復に全力を挙げる。期間は30日間で、更新もあり得る。
大統領は「テロのリスクや(リビアなど)周辺状況の情勢を考え、非常事態を宣言する」とした上で「必要な措置は全て取る」と強調。過激派組織を厳しく取り締まる考えを示した。
ホテル襲撃テロを受け、政府は主要産業の観光業再生に向けて今月からビーチや古代遺跡などに武装した治安部隊を配置。若者を過激派に勧誘する温床になっているとして、政府管理外のモスク(イスラム教礼拝所)を閉鎖することも既に決めている。
首都チュニスでは3月、博物館が襲撃され、日本人を含む22人が死亡。6月26日のホテル襲撃テロでは38人が犠牲になった。いずれも過激派組織「イスラム国」が犯行声明を出している。
チュニジアでは2011年の「ジャスミン革命」で治安が混乱したのをきっかけに非常事態宣言が出され、14年3月に解除されていた。
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