右ボタン

社会社会shakai

  • 印刷
事件の教訓を伝える会報「高塚門扉」の発行を続ける所薫子さん=神戸市中央区山本通4
拡大
事件の教訓を伝える会報「高塚門扉」の発行を続ける所薫子さん=神戸市中央区山本通4
神戸高塚高校の正門。事件後に取り換えられた門扉は、人が通れるよう少し開けられている=神戸市西区美賀多台9
拡大
神戸高塚高校の正門。事件後に取り換えられた門扉は、人が通れるよう少し開けられている=神戸市西区美賀多台9

 兵庫県立神戸高塚高校(神戸市西区)で1990年7月、登校指導の教師が閉めた校門に1年石田僚子さん=当時(15)=が挟まれ、亡くなった事件から、6日で25年となる。管理教育を見直す契機となり、教育現場も様変わりした。だが当時を知る人たちは「二度と繰り返さないよう、事件がなぜ起こったかを考えてほしい」と記憶を伝え続ける。6日は午前8時半から、同校前で追悼の集いがある。(上田勇紀、井上 駿)

 市民グループ「生命の管理はもうやめて!」は事件後、会報「高塚門扉」を発刊した。事件だけでなく、教育の在り方について、さまざまな立場からの意見を掲載。今年6月で第80号を数えた。

 編集メンバーの所薫子さん(62)=神戸市中央区=は事件当時、長男が同市立中学の3年生。丸刈り強制の校則に疑問を抱き続けていただけに、人ごととは思えなかった。

 グループに加わり、事件に関する裁判を傍聴した。県内の大半の学校で登校指導が実施され、神戸高塚では、過去にも女子生徒がスカートを門扉に挟まれていたことを知った。「事件が起きるまで、学校も教育委員会も管理教育を正しいと信じていたことに恐ろしさを感じた」

 80号には、子どもの人権問題に詳しい弁護士や看護師ら9人が寄稿した。所さんは「決して忘れない。命ある限り発行を続ける」と誓う。

 「神戸高塚高校事件を考える会」は、真相解明と校則見直しを求める保護者らがつくった。柴垣六郎さん(67)=同市西区=は、長男が石田さんと同級生で、直後に参加した。

 当時、約10の公立高校の校則などを調査。神戸高塚には「遅刻者は校庭を走る」という決まり事があり、他校も厳しかったという。

 84年開校の神戸高塚は生徒急増による教員不足も指摘されたが、柴垣さんは「決まり事で縛り、生徒に言うことを聞かせる最も安易な方法に頼った」と批判。学校や教委、在校生に「学校は安全で、子どもたちが生きる力を養う場所。再発防止へ、いま一度事件の背景を考えてほしい」と呼び掛ける。

 【神戸高塚高校校門圧死事件】 

 1990年7月6日、登校してきた1年の女子生徒が、午前8時半のチャイムに合わせて閉められた鉄製門扉に頭部を挟まれ、死亡した。門扉を閉めた男性教諭=懲戒免職=は業務上過失致死罪で執行猶予付きの有罪判決を受けた。

  
社会の最新

天気(7月6日)

  • 24℃
  • ---℃
  • 50%

  • 26℃
  • ---℃
  • 10%

  • 23℃
  • ---℃
  • 60%

  • 26℃
  • ---℃
  • 50%

お知らせ


チェックした記事

チェックした記事 チェックした記事

記事選択ボタン

記事選択ボタン

記事選択ボタン

閉じる

  • ログイン
  • 新規申込
  • 紙面を見る
  • 全ての地域版
  • 記事データベース
  • 文字サイズ
  • 小
  • 中
  • 大

ヘルプ

閉じる