小平２打差４位発進　恋人・古閑美保ラブパワーだ

　▽２日、北海道千歳市、ザ・ノースカントリーゴルフクラブ（７１６７ヤード、パー７２）▽曇り、気温２１・７度、南６・０メートル▽賞金総額１億５０００円、優勝３０００万円▽１５０選手（アマチュア６人）▽観衆１６５２人

　今季ツアー初勝利を狙う小平智（２５）＝Ａｄｍｉｒａｌ＝が、「愛」の力で好スタートを切った。交際している元女子プロゴルファーの古閑美保さん（３２）が２戦続けて見守る中、１イーグル、４バーディー、１ボギーの６７で回り、首位と２打差の４位と好位置につけた。７アンダーをマークし首位に立ったＪ・Ｂ・パクを始め、上位３人が韓国勢。

　前日１日のプロアマ戦はボロボロで、調子は停滞気味。ティーオフ前の練習場でも思うような球筋を描けず、小平は「朝は不安だった」。案の定、インスタートで迎えた１２番パー３は、わずか１メートルのバーディーパットを外し、「今日はやっぱりダメだな…」と思ったという。

　だが、そう思った瞬間、無駄な力みが抜けた。直後の１３、１４番の連続バーディーで息を吹き返すと、１８番では圧巻のイーグル奪取。「入ると思わなかった」という１５メートルのロングパットを涼しい顔で沈めた。「コツコツと取っていこう」と目の前の一打に集中すると、ボールは自然とカップに寄り、入っていった。

　格好悪い姿は見せたくない−。コース脇には、交際をスタートさせた古閑美保さんが応援に駆けつけていた。前夜は北海道千歳市内の焼き肉店で食事を共にし、この日はパープルのニット、グリーンのパンツ、濃紺の帽子をかぶり、最終ホールまで熱視線を注ぎながら、ナイスプレーには笑顔で拍手を送っていた。

　小平は「力になりますね。良いところを見せたいので」と恋人の存在が大きいようで、「すごかった選手だけど、いまは彼女として見てもらっているだけ。楽しくやっているので温かく見守ってください」と小さく笑った。

　日本人トップの好発進。といっても、見据える視線ははるか上にある。「ショットはずっと調子が良い。あとは、アプローチとパットがかみ合えば」と小平。元賞金女王という「勝利の女神」の前で、今季初勝利をつかみ取る。　（松岡祐司）