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シゴトノオト
シゴトがうまくいくヒントがありそう!人気のコノ人に「シゴト」について聞きました
月曜更新
しのだまりこ 1986年3月11日、福岡県生まれ。2005年、AKB48第1期オーディションで落選するも、劇場内カフェのスタッフに抜擢され、そこからメンバーに。2013年卒業。雑誌『MORE』専属モデルを務めるほか、CMやドラマ、バラエティと幅広く活動中。お姉さんキャラのイメージが強いが「バイトに明けくれていた高校時代は、年下ポジションでかわいがってもらった」という意外な一面も。
人生ではまだまだ新人
おそれず、あきらめず、なんでも挑戦
気が強くてしっかりもの、涙を見せない「お姉さんキャラ」の印象が強い篠田麻里子。
でもそれは彼女が自分でつくり上げた「自分だけの存在価値」。
迷い悩みながらも、常に努力を続ける彼女のシゴトと人生への思いを語ってもらった。
自分への「疑問」
それが挑戦のきっかけ
「私はこれでいいのだろうか」。シゴトでもプライベートでも、いつも自分にそう問いかけています。AKB48のオーディションを受けたのは、ファッションの専門学校の卒業を直前に控えた時期。憧れのシゴトに就けてキラキラしている同級生たちを見て「私は本当にこれでいいの?」と自分に問いかけて返ってきた答えは「まだまだ納得しちゃだめ。足りないものがたくさんある」でした。人生を大きく変えようと、10代最後にオーディションに応募したんです。
まだ知名度も低かったこともあり「AKB48なら入れるだろうし、入ればなんとかなる」なんて、思っていました。結果は落選。勝手に自信を持っていた私の、鼻っ柱をへし折られた感じでした。その後「AKB劇場」内のカフェでバイトをして、正式にメンバーに選ばれてからも「背が高くてバランスが崩れる」と、もらえるポジションは端っこばかり。AKB48に出会ってからは「こんな私じゃだめ。なんとかしたい!」と思うことが多く、そんな状況を変えたいとダンスと歌を頑張って、大勢にファンになってもらおうと努力を始めたんです。その結果が「選抜総選挙」で上位入賞という形で表れたときは、本当にうれしかった。その後も20代はずっと努力の日々。その間にどんどん後輩も入ってきて、いつしか強くて頼れる「お姉さんキャラ」のイメージが定着し、その状態に安心している自分もいました。自分を見つめてみたら、やっぱり答えは「まだまだ!」。環境を変えるために「AKB48の篠田麻里子」を卒業しようと決めたんです。
恥ずかしさや不安に勝って
素の自分をさらけ出す
AKB48を卒業してからは、いろんなジャンルに挑戦しています。中でも演技のシゴトはいちばん難しさを感じるシゴトです。あるドラマでのこと、私のセリフでシーンが動き出すタイミング、たったひと言のセリフが言えなかったんです……。考えるほどに、役の気持ちから離れていって、言葉が出てこない。セットの影で休んでいたら「あのセリフ、カットすればいいのに」というスタッフさんの声が聞こえてきて、本当にショックでした。でも、今ならその言葉にも納得できます。その場面にとって、セリフを必要なものにできるかは、私の演技次第なんです。そこに私が演じる意味がある。そのためには、セリフに気持ちを乗せるのではなく、感情から自然と出たように言葉にしなければだめ。それを実感させてくれたのが、映画『リアル鬼ごっこ』です。いつも「役づくりをしっかりしなくちゃ」と思うんですが、園子温監督は「(映画のシーンの状況に)篠田麻里子が放り込まれて、どう考えて、動き、話すかが見たい」とおっしゃいました。その状態で心はどう動くか、セリフはどう出てくるかを、求められました。最初は不安でしたが、次第に「素」の自分を出すこと、その場で感じた気持ちのままセリフをいうことが楽しくなってきました。演技って、その日の心境や共演者のかたの芝居でガラッと変わるもの。正解はないけれど、心で感じて演じていれば認めてもらえる。それが演技の楽しさなんだと思えました。気が楽になったし、ちょっと演技のスキルも上がった気がします。
泣いたり甘えたり
弱くったっていいじゃない
20代はずっと、「年上で、先輩で、強いAKB48の篠田麻里子」でした。卒業して思うのは、まだまだ私ができることは少なくて、未熟だということです。やっていないことや知らないことがいっぱいある。そんないろんなことに、これから挑戦したいと思っています。『リアル鬼ごっこ』で学んだアクションもまた挑戦したいです。楽しかった!
「いろんなわらじを履けるなら、履きなさい。挑戦できるなら、やらせてもらいなさい」というのは、笑福亭鶴瓶さんからいただいた言葉です。「ひとつのこともやりきれてないのに、いろんなことに手を出していいのかな」と迷っているときに、かけていただいた暖かい言葉です。すごく気持ちが楽になりました。さまざまなことに挑戦できる自分はシアワセだと感じることができました。そして、そうやって教え、助けてくれる大先輩たちがたくさんいることに気がつきました。29歳は、人生ではまだまだ後輩。20代最後の今年は、恥ずかしがらずに「篠田麻里子というひとりの人間」の弱い部分をさらけ出して、いろんなことに挑戦して、できることを広げていきたいと思っています。
Ⓒ2015「リアル鬼ごっこ」学級委員会
累計200万部突破の山田悠介の大ベストセラー『リアル鬼ごっこ』を、天才・園子温がオリジナル脚本で新たに映画化。今回のターゲットはJK=女子高生。誰が。何のために? JKを追うのか!? すべてが謎の状況の中、捕まったら死。恐怖の鬼ごっこがはじまる!
■監督・脚本/園子温 ■出演/トリンドル玲奈、篠田麻里子、真野恵里菜 ほか