端島(通称:軍艦島)炭鉱(長崎市)など「明治日本の産業革命遺産」を世界文化遺産に登録することを決定した、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会で、日本は「一部の施設で多くの朝鮮半島出身者などが自らの意思に反して(against their will)連れてこられ、厳しい環境の下で働かされ(forced to work)ていた」と述べた。日本が第2次大戦中の強制徴用の事実について国際社会で公式に言及したのは初めてだ。
5日(現地時間)、ドイツのボンで行われたユネスコの世界遺産委員会で日本は、このような内容を発表し「当該施設での犠牲者を記憶にとどめるために、情報センターの設置など適切な措置を取る」と述べた。日本が発表した内容は「明治日本の産業革命遺産」を世界遺産に登録する決定文に「注釈」の形で盛り込まれた。同委員会はまた、日本が2017年までに当該施設で約束した措置を履行し、関連する報告書を提出することとし、18年の会議でその履行状況を検討することとした。
韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外交部(省に相当)長官はこの日、政府ソウル庁舎で記者会見を行い「外交的な努力によって韓国の正当な懸念が忠実に反映された。韓日両国が激しい対立を避け、対話を通じて問題を解決できたという点で意義は大きい」と述べた。日本はこれまで、世界遺産登録の対象となる施設での強制労働の事実を表記することに強硬に反対してきたが、国際社会で「人権侵害の歴史に向き合わないまま登録が実現することはあってはならない」という世論が形成される中、土壇場になって主張を変えた。「明治日本の産業革命遺産」は、九州地方や山口県を中心とする8県の11市にある23カ所の施設を対象としている。このうち、端島炭鉱など7カ所には5万7900人の朝鮮人が強制的に動員され、そのうち94人が死亡した。
一方、世界遺産委員会は、韓国の忠清南道公州市・扶余郡、全羅北道益山市に点在する百済の遺跡8カ所を対象とする「百済歴史遺跡地区」についても、世界文化遺産への登録を決定した。「百済歴史遺跡地区」の対象となるのは、公州市の公山城と松山里古墳群、扶余郡の官北里遺跡、扶蘇山城、陵山里古墳群、定林寺跡、益山市の王宮里遺跡と弥勒寺跡の計8カ所だ。