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【スポーツ】

<首都スポ>首都圏にも球児の夏 東東京海城が9回大逆転初戦突破

2015年7月5日 紙面から

全国高校野球東、西東京大会開会式で入場行進を終え、整列する選手たち=神宮球場で(平野皓士朗撮影)

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 首都圏にも球児の夏が到来−。第97回全国高校野球選手権大会(8月6日から15日間、甲子園)の代表校を争う地方大会は4日、首都圏のトップを切って、東・西東京、茨城で開幕した。神宮球場での開会式後に行われた東東京の開幕戦は雨中のナイターとなり、海城が9回に6点差を大逆転、10−8で目黒学院を破った。目黒学院はエースの山下航投手(3年)が右太ももをつるアクシデントで降板すると、救援陣が持ちこたえられなかった。

 最後まで何が起こるか分からない−。海城の梶徹監督(36)はベンチでナインにそう声をかけたが、それにしても、こんな結末が待っているとは…。6点を追う9回に、押し出し6つを含む10四死球で8点を奪い大逆転。ヒットはわずか1本。「逆転するとまでは思わなかった…。完全に待てではなく、打てるボールだけ打ちなさいと言った。選手がよく見極めてくれた」と梶監督も驚きを隠さない。

 落ち込みそうなベンチを盛り上げたのは、4番の遠藤大地一塁手(3年)だった。「キャプテンが沈んだ気持ちになっていたので、自分が盛り上げていこうと思った」。9回、打者一巡して同点の2死満塁で回ってくると、このイニング2つ目となる四球を選んで決勝点を奪い、ガッツポーズ。足をつった目黒学院の絶対エース、山下がこの回からベンチに退いたとはいえ、経験のない投手たちがストライクをほとんど取れずに大崩れ。「もうイケイケでした」と遠藤が逆転ムードをあおりまくった。

 一塁側スタンドでは、単身赴任先の米グアムから、独立記念日の休みを使って帰国していた父裕之さん(52)が観戦。雨の中で「最後まであきらめないといいことありますね。あした戻りますけど、週末にまた帰国します」と喜んだ。東大志望の遠藤は「神宮でこういう試合ができて、ここでもう一度、味わえるならと、ますます東大で野球がやりたくなりました」と最後まで表情を緩めっぱなしだった。

 ことしも東大に現役で43人が合格した都内屈指の進学校。練習は午後6時半までで7時には完全下校。月、木は全体練習が休みで、ことしはグラウンドが人工芝に改修中で6月から全く使えず、近隣の野球場を借りての練習。そんなハンディも乗り越えての開幕白星だ。週明けからは期末試験も始まるが「きょうは勉強はしません」と遠藤。この夜は、昨夏、初戦でコールド負けした分までも勝利をかみしめる。 (小原栄二)

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