7月に入りましたね。予想以上に涼しい日々が続いており、「夏の本気」に今から戦々恐々としております。
さて、今回は、冷凍うどんについて書いてみようと思います。20代後半の現在に至るまで、「冷凍うどんが嫌いだ」と主張する人に遭遇したことがありません。
もちろん、私が気づかなかっただけで、冷凍うどんを憎み、冷凍うどんの失脚を目論んでいる人がいたのかもしれません。まぁ、そのような人が仮にいたとしても、冷凍うどんの魅力をじっくりと語り聞かせれば、籠絡させる自信はあります。ということで、冷凍うどんについてつらつらと書いていきます。
冷凍うどんの三角デルタ
私が買うのは、5食入りで300円の冷凍うどんです。冷凍庫には、冷凍うどん専用スペースを常に確保しており、冷凍うどんが鎮座しているときはその偉容を称え、冷凍うどんが席を外しているときは「在りし日の冷凍うどんの姿」を思い描き、一日でも早い復権を祈ります。
5食入りの真ん中から冷凍うどんを取り出すので、両端のうどんが中央に寄りかかり、「三角空間」が現出します。私はこの空間のことを「冷凍うどんの三角デルタ」と呼んでいます。気が向いたときには、その空間に手を差し込み、何物かが潜んでいないかをチェックしていますが、ただ手がひんやりするだけです。
160円で、こんなにおいしい
繰り返しになりますが、私が買う冷凍うどんは、5食入りで300円のものなので、1食あたり60円です。冷凍うどんの食べ方は千差万別ですが、私の場合、スーパーで買ったかき揚げをのせて食べます。かき揚げは100円なので、うどんの値段と足しても、160円です。運良く揚げたてのかき揚げを買うことができたときの高揚感といったらもう。麺をすするたびに、「160円で、こんなにおいしい」と独りごちています。
冷凍うどんのことを思えば頑張れる
休憩時に、「今日の夜は、なにを食べようかな」とぼんやり考えることがよくあります。そのときに、「そういえば、冷凍うどんがあったな」と思い至ったときの幸福感といったら、例えようがありません。冷凍うどんのことを思えば、大抵のことは頑張れます。冷凍うどんには、人を狂わせる魔力(麺力)があります。
たまに、「自分は、どのような最期を迎えたいのか」ということを考えます。熟慮した末に辿り着く結論はいつも同じで、それは「冷凍うどんに絡め取られて死にたい」というものです。それまで、「うどんをすする側」だった自分が、うどんに絡め取られて、「うどんにすすられる側」に回ることを想像すると、なにやら満ち足りた気分になります。冷凍うどんは素晴らしいですね。