Apple Musicの利用を開始すると、「iCloudミュージックライブラリ」という聞き慣れない用語が表示されることがあります。
たとえば、「For You」に表示されたおすすめのプレイリストを「My Music」に追加しようとすると、上の画像のようなメッセージが表示されます。気に入った曲を保存するには、設定でオンにしなければならないわけです。
で、その指示に従い、「設定」アプリの「ミュージック」で、「iCloudミュージックライブラリ」をオンにすると……
……こんな表示が出て、ますます分からなくなります。いったい「結合」や「置き換え」とは何を意味しているのか?ここで「キャンセル」を選択すると、Apple Musicの「My Music(マイミュージック)」に曲やプレイリストを保存できませんので、サービスを存分に楽しめません。意味もよく分からないままオンにしている方も多いのではないでしょうか?
さらに、驚かされるのが、iTunesでApple Musicを始めたときです。
「iCloudミュージックライブラリを使用しますか?」というメッセージに従い、使用を許可すると、いきなりiTunesライブラリ内の曲をアップロードし始めます。この曲がいったいどこへアップロードされているのかわからないまま、不安な気持ちでサービスを開始させられることになります。
そこで、いろいろと調べた結果、「iCloudミュージックライブラリ」がどのようなライブラリなのか自分なりに把握できましたので、ちょっとここで説明させて頂きたいと思います。間違っていたら、スミマセン。
※2015年7月6日、一部訂正しました。
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iCloudミュージックライブラリとは何か?
言葉で説明するより、図で見た方が分かりやすいと思います。
タップすると拡大します。この図が示すように、「iCloudミュージックライブラリ」とは、Apple IDを持っているユーザー個人のライブラリです。で、同じApple IDを設定している複数のデバイスからアクセスできるオンライン上のライブラリでもあります。
ここには、次のような情報やコンテンツが保存されます。
- My Musicに保存した曲、アルバム、プレイリスト
- For Youやラブの状態
- Connectでフォローしているアーティスト
- Radioで最近再生された曲
- iTunes Storeで購入した曲
- iTunesライブラリ(パソコン内の曲)
他にもあるとは思いますが、ミュージック関連の情報やコンテンツが全部オンライン上でクラウド化され、Apple IDで関連づけられたデバイスに同期されるわけです。
1〜4番の情報およびコンテンツは、Apple Musicが登場して初めて出現した要素です。
5番の「iTunes Storeで購入した曲」は、「iTunes in the cloud」という名称で提供されていたサービスで、それがApple Musicと統合された形となります。一度購入した曲を、同じApple IDを設定したデバイスからダウンロードできたり、ストリーミング再生できる機能です。
6番の「iTunesライブラリ」はリッピングしたCDなどが保存されたパソコン内の音楽データのことです。従来なら「iTunes Match」によって提供されている機能と同じで、アップロードされた曲がAppleのカタログとマッチングされ、低ビットレートのものは256kbps AACフォーマットに変換されてライブラリ化されます。これにより、様々なデバイスから手持ちの曲をストリーム再生したり、ダウンロードできるようになります。
iTunes Matchは今もサービスを提供していますが、この機能がApple Musicでも利用できるようになったわけです。アップルによれば、この2つのサービスは「それぞれ独立したものですが、補完的な関係にあります」ということですが、違いについてはイマイチよく分かりません。実際に検証してみればよいのですが、Apple Musicのサービスが神すぎるのに、わざわざ有料のiTunes Matchを利用する気にはなれません。
なお、Apple Musicによって、パソコンから「iCloudミュージックライブラリ」にアップロードされた曲の取り扱いは、iTunes Matchの条件と同じになるそうです。
参考:Apple MusicのiCloud ミュージックライブラリ取り扱いはiTunes Matchと同じ(Macお宝鑑定団Blog)
冒頭の疑問に対する答え
というわけで、最初の疑問に戻りましょう。
「結合」や「置き換え」とは何を意味するのか?
iPhoneなどの端末に音楽データがダウンロードされている場合、ローカル(iPhone内)とクラウド(iCloud内)のライブラリをどのように統合させるのか、についての選択肢といえます。
ただし、iTunes Storeで購入した曲なら、ストアから提供された曲なので、結果的にどちらを選択しても同じだと思います。また、iTunesライブラリ(パソコンのローカル)からアップロード済みの曲であれば、クラウド上のデータは既に変換されているため、結合しても置き換えても、同じになるのではないでしょうか?アップロード前の元の曲データは、パソコンの中で変換されずに残っているため、クラウド上のものは結合されようが、置き換えられようが、聴けることは聴けるし、利便性も変わりません。
iTunesからアップロードされた曲の扱い
パソコンからiTunesライブラリがすべてアップロードされたあと、同じApple IDを設定しているiPhoneやiPadのライブラリはどのように変化するのでしょうか?
結論としては、iTunesライブラリがまるごと「My Music」タブの「ライブラリ」にリストアップされます。もちろん端末にダウンロードされるわけではなく、あくまで表示だけで、必要に応じてストリーミング再生したり、ダウンロードしたりできます。
iTunesライブラリ(ローカル)に保存していたアルバムがiPhoneにも表示された。ただし、アップロード&変換されてアートワークが変わってしまったものがかなり多い。
曲が多いと、アップロードとマッチング、各端末への同期に時間がかかると思いますが、iTunesライブラリがクラウド化された上、Apple Musicライブラリにカタログ情報が統合され、一様にどの端末にも表示されるのは、ちょっと驚きです。初めてiCloudを使ったときのことを思い出しました。
まとめ
iCloudミュージックライブラリについて、一通りまとめてみました。まだよくわかっていない部分もあるかとは思いますが、おおよそ概念としては、図で示したようなものになると思います。
なんとなく、曲がアップロードされるのが落ち着かないのですが、利便性はぐんと高まりますね。ネットに接続されていれば、iPhone内に曲を保存しなくても、自分の膨大なライブラリがストリーミングで楽しめるのですから。
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