ウェブライターに必要不可欠なスキルとして「音声起こし」があります。
レコーダーなどに録音した音声データを文字に起こす作業のことで、文字起こしともいいます。インタビューやイベント取材のときは、この音声起こし作業が必要になります。
(※イベント取材はメモだけの場合もありますが、イベント内容をそのまま会話形式でまとめるようなタイプの原稿依頼もあるので、そういうときはイベント音声の起こしが必要です)
意外と音声起こしの方法って知られてないっぽいので、まとめてみました。
音声の録り方
レコーダー(安物でいいです)に録音。レコーダーには再生機能もついていますが、それは使わず、PCに取り込んで音声データとして扱います。
音声データはレコーダー内で勝手にファイル名をつけてくれますが、自分で混乱してくるので、取り込んだら「青柳さんインタビュー.WMA」みたいに名前を変えておくといいです。
音声起こし支援ソフトを使う
音声起こしの際は、絶対に音声起こし支援ソフトを使ったほうがいいです。効率が段違い、というか、音声起こし支援ソフトを使わずにどうやって起こしたらいいのかもうわかりません……。
私が使ってるのは「okoshiyasu2(おこしやす)」というソフトです。
http://www12.plala.or.jp/mojo/
キーボード上で音声の再生・停止ができます。また、音声の再生速度を上げたり下げたり、ループ再生したりできます。
どのキーを割り当てるかは人によって好みがあると思うのですが、私は「ctrl」キーを割り当ててます。ちなみにエディタはTerapadを使ってます。
超便利機能として声を大にして紹介したいのは、「停止と同時に自動的に指定した秒数巻き戻しを行うので、聞き漏らしが有りません」という点。自分のタイピングソフトと秒数巻き戻しのリズムのコツがつかめてくると、ウォォォン俺は人間音声起こしマシーンだ!!!!と叫びたくなるくらい気持ちよく起こせます。
中にはフットペダルを自作している人もいるみたいです。すげえ。
※追記
okoshiyasu2は、MP3の場合一部音声のズレが生じることがあるようです。
↑こちらのソフトを教えていただきました。
音声起こしにかかる時間
だいたい最低でも3~4倍かかると思っておいてください。つまり、
10分の音声…起こすのに30分~40分
1時間の音声…起こすのに3時間~4時間
インタビューだと、基本的に相手の音声は全部起こしますが、自分の質問内容は(だいたい何喋ったかわかるから)ちょっとまるめちゃったりまとめちゃったりすると、起こしの時間が節約できます。
例↓
実際の質問や会話…「えーとですね、今回発売された本についてお聞きしたいことがあるんですけど、あっすごく面白くて夢中で読んでしまったんですけども、この本を執筆された経緯というのをまずお話いただけるでしょうか」
音声起こし…「―執筆の経緯は?」
その代わり、インタビュー相手の発言は、極力「なんか」とか「えーっと」とか「う~ん…そうですね~」みたいなものも(はじめのうちは)起こしておくといいです。
相手が笑ったときは、特徴的な笑い声のときは笑い声を書いて(「ぎゃはははは!」って笑ったときはそう書く)、爆笑のときは「(笑)」くらい、普通の「ふふっ」くらいは特に(笑)を書かずに書いておくのがいいです。
(あんまり笑いをメモしておくと、原稿にしたときにめっちゃ笑ってる原稿になってヒィ!となります)
音声起こしをする環境
固有名詞とか時系列とかがわからないときがあるので、ネット環境があったほうがいいです。聞き取れなかったときにふんわりしたワードでググると「あっこの単語だ!」とアハ体験になります。
音声起こしをする場所は、他のライターさんだとけっこうファミレスとか気持ちが切り替えられる場所でやっているっぽい。確かに比較的単調な作業なので、家でやると途中で集中力が切れやすいんですよね。
○分間音声起こし1本勝負!みたいな気持ちでやるのもおすすめ。私はあまりに音声起こしにつまると、超空いている電車に乗り込んで電車の中でやります。乗り込んで目的地までという限られた時間の中で、ひたすら音声を起こすと、なんかこう、脳内麻薬がドバドバ出ます。
音声起こしの経験の積み方
音声起こしは適正と経験なので、やっているとそれなりに早くなります。ただ、最初のうちは音声を録る機会もそんなにないので、そこまで音声起こしの練習は積めません。
そういう場合、知り合いや先輩のライターの人から音声起こしの仕事をもらうといいです。だいたいみんな困ってます。
音声起こしのギャラの相場はけっこう幅があるのですが、
1時間の音声で、最低3000円~1万5000円
くらいでした。私は一時期めっちゃ音声起こしが楽しくてしょうがない状態に入ったので、そのときにいろいろお仕事を紹介していただきました(この場を借りてお礼)。
自分の声を聞くのが苦痛
「なんだこの頭の悪そうな喋り方をしている女は…って私じゃ~~~ん」みたいなことを5万回くらい感じると思いますが、周りに聞いたところみんな自分の声に対してそれを思ってるようなので、我慢しましょう。
ただ意識するとけっこうだらっとした頭の悪そうな喋り方とかは改善するみたいなので、がんばりましょう…がんばります…。
慣れてきたら全起こしをしなくてよくなったり、ポイントだけ起こすみたいなこともするようになるのですが、初めのうちは筋トレと思って音声起こしすると、だんだん楽しくなってきます。
よい音声起こしライフを。