ロボット工学三原則から学ぶ、アイデアの盲点

アイデアは実現するものという前提で仕事をしていると、アイデアには2種類あることを意識するようになります。1つ目は [既知の問題に対する新しい解決案] としてのアイデアで、2つ目は [これまでに誰も気付かなかった新しい問題提起] としてのアイデアです。
アイデアが本質的に未解決問題を含む場合はアイデア倒れのプロジェクトになる可能性がありますが、そこに気付くことも難しいものです。ロボット工学三原則 (ロボットは人間にとって安全で便利で丈夫であれば良いとする原則) というアイデアを例に、アイデア倒れのケーススタディを示します。

仮に、以下のロボット工学三原則を私が思いつき、
(つまり、ロボットがどうあるべきかという問題への
解決案を思いついたとう気持ちで)
機械などの専門家に人間と共存できるロボットの開発を依頼したとします。

  1. 第一条 ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
  2. 第二条 ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。
  3. 第三条 ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。

2058年の「ロボット工学ハンドブック」第56版 、『われはロボット』より

専門家ですから、
私の知らないところや気付かないところも含めて、
良い感じに開発してくれるでしょう。
もしかしたら、フレーム問題
気を利かせて解決してくれるかもしれません。

それでも、必ず1つは質問されるでしょう。

「2人の人間が同時に死に瀕しているとします。
ロボットの能力には限りがあるので
どちらか1人しか助けられないとします。」

「しかし、1人だけなら確実に助けられます。
また、両方を助けようとした場合には
どちらも確実に死亡する上、
ロボット自体も致命的に破壊される状況に遭遇したとします。」

「いかなる選択肢をとっても
ロボット三原則に反する事態となります。
現実問題としてロボット三原則が
守れない事態へ対応するルールが必要です。
まずは、助けない人を選択する原則を決めていただけますか?」

ロボット三原則が実現可能なアイデア
すなわち実践可能な解決案となるためには、
誰を生かし誰を死なすべきかという問題
解決しなければなりませんが、
これは未解決の問題です。
そのためロボット三原則に基づくロボット開発は、
アイデア倒れのプロジェクトとなることでしょう。

ロボット三原則は、
ロボットがどうあるべきか
という問題に対する新しい解決案
のように思えますが、
誰を生かし誰を死なすべきかという
未解決の問題が含まれているため、
実際には実践可能な解決案にはなっていないわけです。

このように、アイデアの実現にとって重要な部分が
盲点に入って見えていないということがあります。
そうすると、アイデア実現の大きな障害になります。

盲点に入っているものは自分では気付けません。
色々な専門家に相談すると、
実現の障害を取り除く助けになります。
それだけでなく、実現困難と思えるものが、
専門家からみると容易に実現できるという場合もあります。

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ロボット工学三原則から学ぶ、アイデアの盲点” へのコメントが 2 点あります

  1. >「しかし、1人だけなら確実に助けられます。また、両方を助けようとした場合にはどちらも確実に死亡する上、ロボット自体も致命的に破壊される状況に遭遇したとします。」
    ふむふむ

    >「いかなる選択肢をとっても、ロボット三原則に反する事態となります。
    ならないよ。以上。
    これ、よくある間違いの一つなんだ。

    まずはアシモフの著書を読んでから書いた方がいいと思うよ。

    • とおりすがr様

      学びの機会をありがとうございます。
      より間違い少なく、役立ち、面白みのある
      記事を書くことに繋げて行きたいと思います。
      よろしければまたご閲覧、
      コメントいただけましたら光栄です。

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