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 ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産委員会は5日、「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」を世界文化遺産に登録することを決めた。一部の炭鉱などで朝鮮半島出身者が動員された「徴用工」の説明をめぐって日韓が対立していたが、調整がついた。

 ドイツ・ボンで開かれている世界遺産委員会は、5日午後3時(日本時間同10時)すぎから「産業革命遺産」について審議し、全会一致で登録が決まった。

 審議では、日韓それぞれが英語で発言した。日本側は徴用工について、本人の意思に反したという意味の「against their will」という表現を使って、植民地時代に朝鮮半島から連れてこられたと言及、厳しい環境で労働を強いられたなどとも述べた。また、こうした歴史を記憶するために、適切に対応すると表明した。

 当初、韓国側の発言案に「強制労働」とあったため、日本側は当時は法令に沿った動員がされたとし、韓国での損害賠償請求訴訟など元徴用工をめぐる動きに悪影響を及ぼす恐れがあると反発。調整が難航し、当初予定された4日の審議は先送りされた。

 関係者によると、調整の結果、韓国側が発言案を修正し、双方の発言内容について合意したという。登録が決まった後、岸田文雄外相は記者団に「徴用の問題は完全かつ最終的に解決されている」と日本の立場を述べた。