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箱根山 ごく小規模な噴火を確認 警戒レベル3
6月30日 12時37分

箱根山 ごく小規模な噴火を確認 警戒レベル3
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神奈川県の箱根山の大涌谷で、29日確認された新たな噴気孔の周辺に火山灰などが積もっていることが確認され、気象庁は「昨夜からきょうにかけてごく小規模な噴火が発生したとみられる」と発表しました。気象庁は、箱根山では今後、大涌谷周辺の居住地の近くまで影響を及ぼす噴火が発生する可能性があるとして、噴火警戒レベルをレベル2からレベル3に引き上げ引き続き警戒を呼びかけています。
気象庁によりますと、30日午前、神奈川県の箱根山の大涌谷で、29日に確認された新たな噴気孔の周辺に火山灰が積もり、噴石が飛び散っていることが確認されました。噴気孔は直径が10メートルほどあり、火山灰などが半径30メートルほどの範囲に積もっていたほか、噴石の大きさは最大で直径30センチほどで、噴気孔から4,50メートルの範囲に飛び散っていたということです。また、北へ300メートルほど離れたロープウエーの大涌谷駅付近でも灰が降ったことが確認されたということです。
このため気象庁は「昨夜からきょうにかけて箱根山の大涌谷でごく小規模な噴火が発生したとみられる」と発表し、今後、大涌谷周辺の居住地のすぐ近くまで影響を及ぼす噴火が発生する可能性があるとして、改めて火口周辺警報を発表し、噴火警戒レベルを「レベル2」から「レベル3」に引き上げました。そして、大涌谷から1キロ程度の範囲では噴火に伴う噴石などに警戒するとともに、風下にあたる地域では1キロを超えて小さい噴石が飛散するおそれがあるとして、注意するよう呼びかけています。気象庁が箱根山で噴火を確認したのは今回が初めてです。
気象庁によりますと、神奈川県の箱根山では29日午前に、観測以来初めてとなる火山性微動がおよそ5分間にわたって観測されて以降、火山性地震が多い状態が続いています。地震は30日になってさらに増加し、規模の小さいものを含めて30日午後3時までに観測された地震は572回と、これまでで最も多くなり、このうち箱根町湯本で震度3から1の揺れを観測する地震も10回観測されています。また、29日午後4時ごろからは「空振」と呼ばれる振幅のごく小さな空気の振動も断続的に観測されています。
気象庁は「今後、火山活動が活発になると、大涌谷から1キロ程度の範囲に影響を及ぼすような噴火が発生する可能性があり、自治体の指示に従って引き続き危険な範囲には立ち入らないようにしてほしい」と呼びかけています。

過去の活動と最近の状況

神奈川県の箱根山は複数の溶岩ドームからなるカルデラ火山で、最も高い神山は標高が1438メートルあります。
気象庁によりますと、箱根山では地質調査などで、12世紀から13世紀にかけて大涌谷周辺で水蒸気噴火が発生したと考えられていますが、その後、噴火の記録などはありません。
観測記録が残る昭和以降は、大涌谷周辺で群発地震や異常な噴気の噴出がたびたび発生していますが、噴火が観測されたことはないということです。
箱根山ではことし4月下旬から火山性地震が増加し、先月3日以降は、大涌谷の温泉の設備からは蒸気が勢いよく出ているのが確認されています。
また、大涌谷付近を中心に山が膨らむ傾向を示す地殻変動が観測され、気象庁は、先月6日に箱根山に噴火警戒レベル2の火口周辺警報を発表しました。
今月に入って温泉設備からの蒸気の勢いが弱まり、箱根山周辺を震源とする火山性地震も減少していましたが、29日の朝に観測以来初めてとなる火山性微動が発生して以降、火山性地震が再び増加し、29日は震度1の揺れを観測する地震が2回発生していました。
また、神奈川県の温泉地学研究所によりますと、規模の小さい火山性地震は29日は300回以上、30日も午前中に200回近く観測されています。

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