2015年7月5日 日曜日

工事・計画

このエントリーをはてなブックマークに追加 文字サイズ 

横浜市/山下ふ頭開発基本計画答申案/大規模集客施設やエンタメ機能の集約提言  [2015年7月3日5面]

 横浜市の「横浜市山下ふ頭開発基本計画検討委員会」(委員長・森地茂政策研究大学院大教授)は2日、基本計画の答申案をまとめた。近く林文子市長に提出する。山下ふ頭(中区、約47ヘクタール)に大規模集客施設やコンベンション機能、スポーツ・エンターテインメント機能などを集積させる方針を打ち出し、山下公園側の約13ヘクタールについては、東京五輪が開かれる2020年の一部供用を目指して先行的に事業を推進。25年ごろの全体完成を目指すとした。事業手法は公民連携を基本にするとしている。
 対象地区は繁華街の元町や中華街、山下公園と隣接する一帯。現在は主に本牧ふ頭や大黒ふ頭などで扱うコンテナの開梱(かいこん)・梱包(こんぽう)を行うバックヤードとしての役割を担っている。ふ頭用地内には現在、49棟の倉庫などがあり、市はこれらを横浜ベイブリッジより外側の外港(南本牧ふ頭、本牧ふ頭、大黒ふ頭)に移転・集約する考えだ。答申案では、土地利用転換を段階的に進め、一帯を文化・スポーツなどの大規模集客施設を備えた国際観光拠点に再整備。世界が注目するエンターテインメント機能の集積やイベント開催などを目指すとした。
 ゾーニング案によると、南側(山下公園側)の入り口部分に交通ターミナル、山下公園から連続する部分に緑地と水際沿いのにぎわいゾーンを配置。中心部には新たな横浜のシンボルとなる大規模施設を設置する。大規模施設とし、コンベンション施設や、野球場などのスポーツ施設、エンターテインメント、文化・芸術などの施設を想定している。北側(ふ頭側)には三つある突堤(A~C)のそれぞれに、海外からの集客にも対応する滞在型施設を整備。山下公園側の突堤には大型クルーザーなどの客船が接岸できるようにする。
 地区内外の交通ネットワークとして、次世代型路面電車(LRT)、水上交通、ロープウエー、水上飛行機の導入も検討。羽田・成田空港や、鎌倉・湘南、富士・箱根方面など県外とのアクセス強化も図る。地区の入り口からふ頭部までの歩行者動線を2階レベルに形成。歩行者と車を上下に分離することで安全性と回遊性を確保する。倉庫などの移転調整や、関係機関との協議・調整、地区内外を連絡するインフラの整備を公共が担当。既存施設の解体・撤去や新たな建物・地区内インフラの整備、管理・運営体制の構築などを民間が担当することを想定している。2日の検討委では、委員から集客の核としてIR(統合型リゾート)施設やドーム球場などを求める意見も出た。

この記事へコメント

メールアドレスが公開されることはありません。

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

(検索結果は別ページに移動します)
※過去3カ月の新聞記事が検索できます。
(当日分と落札ファイルの記事は検索対象外です)