梅雨の時期から夏にかけて気になってくるのが食中毒ですね。ジメジメ&ムシムシした環境は、細菌にとっては好環境! 細菌が原因となる食中毒は6月〜8月に多く発生しています。

もともと細菌は、肉や魚などの食材や、自分の手、スポンジやまな板にも存在しています。温度や湿度などの条件がそろうと食べ物の中で増殖し、その食べ物を食べることにより食中毒を引き起こします。

しかし一定の量以上にならなければ発症しません。そこで今回は、菌を「増やさない」ように、家庭で手軽にできる食材「酢」を使った食中毒予防のポイントを紹介します。



■毎日の料理に酢を使う


夏場の食事は、積極的にお酢を取り入れましょう。菌の増殖防止だけでなく、食欲増進にも効果的なので一石二鳥です!

まずはサラダのドレッシング代わりに寿司酢を使ってみましょう。野菜を寿司酢で和えて、30分ほど冷蔵庫で味をなじませれば、あっさりしたマリネ風のサラダになります。

肉魚の味付けは甘酢炒めも良いですね。ピクルス漬けやらっきょう漬けなど、お酢を使った漬物などを常備しておけば、毎度の食事にお酢の一品を取り入れるのも気軽にできます。

お弁当のご飯には、炊飯時にお酢を入れて(米1合に対し酢小さじ1)炊くのもおススメです。酢の酸味は飛んでしまうのでほとんどなく、ご飯にお酢の成分のみが残るので、食中毒菌の増殖防止の効果が期待できます。

■調理器具を酢で抗菌


調理器具は、基本はよく洗って清潔に。理想はこまめに熱湯殺菌をオススメしています。しかし、熱湯殺菌できない調理器具(耐熱でないもの)などもありますし、忙しい日はそこまでできないことも。

そんな時にお酢を使いましょう。お酢で湿らせたキッチンペーパーで、使う前のお弁当箱(フタも)を拭く。生の肉魚を扱った後に手にもみ込んでおくなど、菌の増殖を抑えたい場所にスポットで使うと良いですよ。

その他、食材では「梅干し」「レモン」に含まれるクエン酸や「しょうが」に含まれるジンゲロン、「紫蘇」に含まれるペリラルデヒド、「にんにく」に含まれるアリシン、「唐辛子」に含まれるカプサイシンなど抗菌作用があると言われているものはあります。これらの食材も、暑い時期は取り入れてみましょう。

ただし、これらの方法は菌を殺すのではなく、あくまでも菌が増えるのを抑える方法。基本的には、普段から清潔にを心がけて、少なくとも家庭からの食中毒は阻止したいですね。

万が一、おう吐や下痢の症状がでたら、早めに医師の診断を受けてくださいね。
(精進料理研究家 麻生怜菜)