産経ニュース

道徳教科書、学習指導要領解説書の全容判明 対立意見を併記 国の定義「歴史共同体」

ライフ ライフ

記事詳細

更新


道徳教科書、学習指導要領解説書の全容判明 対立意見を併記 国の定義「歴史共同体」

 平成30年度以降に小中学校で教科化される道徳について、文部科学省がまとめた教科書作成の指針となる学習指導要領解説書の全容が3日、判明した。教科書の編集方針を「多面的・多角的に考えたり、感動を覚えたりする充実した教材」と明記し、意見の分かれる道徳課題を子供が自ら考え、話し合って結論を導く学習スタイルを促す書きぶりとなった。初めて「国」を定義したほか、五輪・パラリンピックに絡めた教材開発も提言している。

 解説書は学習指導要領の内容を具体的に説明するもので、教科書会社の編集指針となるほか、教員が授業を行う手引きにもなっている。小学校で28年度、中学校で29年度に行われる教科書検定から適用される。

 解説書では、双方の価値観が対立する場合について、例えば、他人を許す「寛容」とルール違反者を許さない「規則の尊重」とをあえて併記することで、議論重視の教科書編集ができるよう明記した。

 3月に改定された新学習指導要領では「愛国心」について小学1年から指導を前倒しすることになり、解説書では初めて「国」を「歴史的・文化的な共同体」と定義、政府や内閣などの統治機構との区別を明確化した。

 教材開発の具体例としては、オリンピックやパラリンピックを初めて取り上げ、チャレンジ精神などを教えることを提案。スマートフォンの無料通信アプリ「LINE」を使ったいじめ被害なども相次いでいることから、情報モラルの指導を充実するよう記した。

関連ニュース

道徳教科書検定基準の大枠決定 文科省

「ライフ」のランキング