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神戸市東部を走る「東神戸マラソン」を運営する慈憲一さん(右)と殿本真一さん=神戸市灘区水道筋2
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神戸市東部を走る「東神戸マラソン」を運営する慈憲一さん(右)と殿本真一さん=神戸市灘区水道筋2
東神戸マラソンに参加し、運河沿いの遊歩道を楽しそうに走るランナー=2012年11月、神戸市灘区
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東神戸マラソンに参加し、運河沿いの遊歩道を楽しそうに走るランナー=2012年11月、神戸市灘区

 神戸マラソン(11月23日、神戸新聞社など共催)のコースに含まれない神戸市東部(灘区、東灘区、中央区の一部)を走る「東神戸マラソン」をご存じだろうか。コースは主に河川敷や歩道。信号を守りながら100人ほどが約43キロを駆ける。“本家”と同じ2011年に始まり、今年も同日開催予定。主催者らは言う。「盛り上がりなら負けへんで」(黒川裕生)

 兵庫県と神戸市が神戸マラソン開催を発表したのは10年春。当初は甲子園球場(西宮市)前を出発する東コースも検討されたが、交通への影響などから中央区以西に絞られた。

 「外れとるなあ」。同市灘区のデザイン事務所代表慈(うつみ)憲一さん(48)は愛する地元がコースに含まれないと知り落胆した。ならば、と水道筋商店街(同区)で焼き鳥店を営む友人の殿本真一さん(46)を巻き込み、市東部を走る草マラソン大会を開くことにした。

 11年11月20日。神戸中が第1回神戸マラソンに沸き立つ中、東神戸マラソンは参加者十数人でひっそりと始まった。発着点は都賀川河川敷(灘区)。ランナーは時に道に迷い、時に赤信号で立ち止まりながら、摩耶埠頭(ふとう)(同区)や六甲アイランド(東灘区)などを疾走した。

 コース途中では有志が酒盛り場を設けて「走るなんて無駄」とランナーを誘惑したり、ゴール後に全員でバーベキューを楽しんだり‐と雰囲気は極めて家庭的。開催は春と秋の年2回とし、今ではエントリー開始2、3日で定員(99人)に達する人気イベントとなった。ちなみに秋は、神戸マラソンとの併願は御法度である。

 本家も東神戸マラソンの存在は認識している。ただ、神戸マラソン実行委員会は「詳細が分からないのでコメントしようがない」と静観。県警交通規制課も「交通ルールを守って走っている限りは、歩行者と同じだと理解している」と特に規制はしない方針だ。

 さらに今年の神戸マラソン当日は、東神戸と同様にコースから外れた西区を走る「西神戸マラソン」も始動する予定。発起人の建設業廣津篤志さん(35)=西区=は「東神戸に負けない大会にしたい」と意気込んでいる。

  
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