0010 | 11 |
0011 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 11 |
0012 | 04 | 05 | 06 | 07 | 09 | 10 | 11 | 12 |
0013 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 11 |
0014 | 01 | 02 | 05 | 06 | 07 | 09 |
0015 | 05 | 06 |
2004 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2005 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2006 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2007 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2008 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2009 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2010 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2011 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2012 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2013 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2014 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2015 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 |
ホメオパシー、デトックス、千島学説、血液型ダイエット、ワクチン有害論、酵素栄養学、オーリングテストなどなど、「ニセ医学」についての本を書きました。あらかじめニセ医学の手口を知ることで被害防止を。 |
2015-06-30 韓国における甲状腺がんの過剰診断
■[医学]韓国における甲状腺がんの過剰診断

■「過剰診断」とは何かを読んでくださった方は、いまや早期発見・早期治療が常に良いとは限らないことをご存知であろう。検診による早期発見・早期治療によって癌による死亡を抑制できる(かもしれない)が、一方で癌を早期発見しようとすると、多かれ少なかれ過剰診断が生じる。これはトレードオフの問題である。
甲状腺がんは過剰診断が起こりやすい、つまり、治療しなくても症状を引き起こさない癌を見つけてしまいやすい、典型的な癌である。甲状腺がんの多くは進行がゆっくりで、予後が良い。また、病理解剖で数十%の人に甲状腺がんが見つかることが知られている*1。なお、日本人の甲状腺がんの年齢調整死亡率は0.5前後(10万人年当たり)である。甲状腺は体表近くにあり、現在は超音波による検査機器が進歩しているから、その気になればサイズが数ミリといった小さな甲状腺がんを発見することもできる。よって、特に何の症状も無い成人に対して甲状腺がん検診を行えば、放置しても症状を引き起こさない(過剰診断の)甲状腺がんが多く見つかる。
2014年に、New England Journal of Medicine誌およびLancet誌にそれぞれ、韓国における甲状腺がんの過剰診断についての論文が掲載された*2。程度の差はあれ、先進国では甲状腺がんの罹患率の上昇は見られるが、韓国ではそれが著しい。New England Journal of Medicine誌のKorea's thyroid-cancer "epidemic"--screening and overdiagnosis.(韓国の甲状腺がんの「流行」−スクリーニングと過剰診断)よりグラフを引用しよう。一目瞭然である。
|
Ahn HS et al., Korea's thyroid-cancer "epidemic"--screening and overdiagnosis., N Engl J Med. 2014 Nov 6;371(19):1765-7より引用。
|
オレンジ色の実線で示される甲状腺がんの罹患率はうなぎ上りである。2011年には1993年の実に15倍になっている。一方で緑の点線で示される死亡率はほとんど変化していない。罹患率が上昇しているのに死亡率が変化しないのは過剰診断を示唆するパターンである。
韓国において、1999年から無料もしくは低負担で受けることができる国家的ながん検診プログラムが開始された*3。甲状腺がん検診そのものはプログラムには含まれなかったものの、30〜50ドルという安価な対価で追加の超音波検診を受けることができた。これが韓国における甲状腺がんの罹患率の著明な上昇の一因であろう。他の国では甲状腺がん検診はそれほど一般的ではない。
甲状腺がんと診断される人が増加すること自体が、市民と医師の両方に甲状腺がんを早期発見しようと促すことも指摘されている*4。想像してみよう。隣人が甲状腺がん検診を受け、幸いにも早期に発見でき、手術して治ったと聞く。それは過剰診断で放置してもかまわないものだったかもしれない、なんて情報は知らされない。「私も甲状腺がん検診を受けた方がいいかもしれない」と思うだろう。
医師のほうも検査すればけっこう甲状腺がんが見つかるのなら、検査を勧める気にもなるだろう。超音波による甲状腺がん検診は痛みも被曝もなくお手軽に施行できる。経済的な利益もあるし、それ以上に、早期にがんを発見することで患者さんを救ったというやりがいが生じる。それに、検診を勧めなかったら、後から「甲状腺がんを見落とされた」と訴訟に巻き込まれる可能性もあるかもしれない。
しかし、一般市民はともかく、専門家たる医師は、もはや気軽に甲状腺がん検診を行うべきではない。New England Journal of Medicine誌およびLancet誌は臨床医学のトップジャーナルである。その二誌に甲状腺がん検診に否定的な論調の論文が掲載されたのだ*5。近い将来、検診を控えるようになって、韓国の甲状腺がんの罹患率上昇は止まり、減少に転じると予想する。
関連記事
*1:年令、性別、民族によっても変わるが、「どれぐらい一生懸命に見つけようとするか」によっても変わる
*2: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25372084 , http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25457916
*3:Ahn HS et al., 2014
*4:Lee and Shin, 2014
*5:本文を読んでもらえばわかるが、「手術する基準を見直そう」とかではなく、検診や早期発見そのものに対して否定的である。"…ultrasonography for thyroid cancer screening should be discouraged…", "…they will need to discourage early thyroidcancer detection."
忙しいから素手で作業するようになったり、手を拭かずにアトラス触るからですね。
体についたホルマリンの匂いは次の日には取れていますので。
論文や臨床試験にバイアスがかかっている最たる例はアバン。
臨床試験で結果が出ているはずなのに全く効かない。
20年くらい前に認可されたものですが良識のある医師なら使わない。
その後同時期に認可されたものと計5つ(のはず?)で再評価が行われ、
その全てが効き目無しと判定された。
「臨床試験に通った医薬品5つ全てが再評価で効果無の判定」
再評価も企業のバイアスがかかっていないだけで
現在の臨床試験と手法はほとんど変わりません。
正直、企業から持ちかけられた医師主導の臨床試験では
カルテをMRに渡すことはないものの、
医師はデータをMRに渡す以外のことはまずやらない。
当然データの統計処理などは企業が全て行うし、
臨床試験の重篤な副作用の報告ももみ消したりする。
EBMは異なる手法の論文や臨床試験の結果を比較してどちらを適用するかの相対基準である。
当然のことだが様々なバイアスでエビデンスレベルを補正をしなければいけない。
アバンはエキスパートオピニオン(笑)で効かないと散々言われてきた。
脳代謝の別のカランもアバンに並ぶ例である。
カランも同じくエキスパートオピニオン(笑)で効かないと言われてきた。
つまりエキスパートオピニオン(笑)が
臨床試験・論文を上回ることエビデンスであったということ。
だから補正が必要になる。
日本では医師主導の臨床試験は法規制が甘い。
法治国家であるがゆえに認可取り消し・業務停止にならないし、
アバンは謝罪すらなかった。
海外の論文でも法規制(違反時の認可取り消しなど)の前後で
大きく信頼度が変わるので、そこを考慮した補正が必要となる。
大学や時期によるでしょうが、少なくとも私の医学生時代には、解剖実習の際、カラーアトラスを実習室に持ち込む習慣はありませんでした。持ち込むのは「解剖実習の手引き」という本です。実習と試験が終われば不要なものなので、部活の先輩からもらえます。勉強用のため自分でも一冊買います。もらった古い方の本は実習室に置きっぱなしにして一連の実習が終わったら捨てます。捨てるつもりだから汚してかまわない。勉強用のは汚れないように実習室には持ち込みません。きれいなほうの本も試験が終われば不要になるので後輩に譲ります。部活に入っていない学生は、その日の実習に使う部分のみコピーして持ち込んだりしていました。そもそも実習用は、班に1冊が2冊あればいいんです。
「医大生のほとんどはカラーアトラスを自宅に持って帰って勉強するのを嫌がる」
なんて話はどれぐらい一般的なんですかねえ?実習室に持ち込んだカラーアトラスはどうするんですか?嫌だけど結局は自宅に持って帰るのですか?ご遺体の体液のついた本を?それとも使い捨て?もったいなくありませんか?実習の手引きと違って、カラーアトラスはずっと使うでしょ。
・乳がんの術後補助化学療法もエビデンスが不十分であると横からコメントさんはお考えなのですか?
という質問に「横からコメント」さんは答えてください。
ついでに言えば、「私は少なくとも「医師主導」に関しては20年以上前から感じていました」とコメントされていますが、私の知る限りでは日本で「医師主導」の治験が開始されたのは、平成14年の薬事法改正からです。それ以前に日本に医師主導治験ってあったんですか?
現時点では、「横からコメント」さんは医師ではない、もしくは資格を持っていても能力が足りないと私はみなしています。船瀬俊介氏や近藤誠氏の主張を信じているけれども、抗がん剤の効果について正面から論文等を検討して議論する能力が欠けているがゆえに、アバン、カラン、ディオバンに関連した定番の反医療的な主張を聞きかじりで述べているだけのように見えます。だから、「20年以上前から感じていました」ところでボロが出るんです。
大事なのでもう一度言います。
・乳がんの術後補助化学療法もエビデンスが不十分であると横からコメントさんはお考えなのですか?
どこかで聞いたことのあるような反医療的な主張はどうでもいいです。乳がんの術後補助化学療法について述べてください。
本物の医師がそんなことがあるでしょうか?別に医療関係者でない自分ですらしってるのに?
ていうか、ネットがつかえるならGoogleで検索されたらどうでしょう?
仰るとおり医師主導自体は2003年からです。
貴方のやり方は相手の重箱の隅を突き、消去法で自分のことを正しいと表現するだけです。
実際の自分のやり方を正しいと単独で言わない。
>乳がんの術後補助化学療法もエビデンスが不十分である
何をもって不十分とするかによるが、私からすれば効果を実感する、もしくは実感するという報告が多いものの、データの信頼性が低く「先生が効くといっている」というエキスパートオピニオンと大差ない。
エビデンスの質・量ともに高いが信頼性が低い。
EUの論文だってEU指令施行後に始まったものは信頼性が高いでしょ。
そもそもアバンとカランが出たのは私が当時循環器専門だったからです。
過去の事例からエビデンスレベルだけで論じるのはナンセンスで、補正が必要なのは認めますか?
それともエビデンスレベル=論文の信頼度ということですか?
>何をもって不十分とするかによるが、私からすれば効果を実感する、もしくは実感するという報告が多いものの、データの信頼性が低く「先生が効くといっている」というエキスパートオピニオンと大差ない。
うわあ。トンデモさん確定ですね。それとも、これも突っ込み待ちの仕込みですか?
>過去の事例からエビデンスレベルだけで論じるのはナンセンスで、補正が必要なのは認めますか?
エビデンスレベルだけで論じるのはナンセンスですね。補正も必要です。しかし、「医師主導」かどうかではなく、論文の内容や他の複数のスタディの結果を合わせて吟味します。
ちょうど分かりやすい説明があるのでURLを貼らせて頂きました。
スポンサーがつくかどうかで論文の信頼度が大きく変わることが確認できるかと思います。
スポンサー付きの研究ではエビデンスレベルを大きく下げる事が必要なのは同意いただけますか。
私は少なくとも資金・人材・労力が企業から提供された論文はエキスパートオピニオンレベルまで下げる必要があると考えていますが、同意頂けますか。
http://blog.goo.ne.jp/avin-hmp/e/3cd943ee5eaf15098175d73efc3b0775