2015年7月2日01時06分
自民党の勉強会でメディアへの威圧的発言が相次いだ問題は、1日もくすぶり続けた。安倍晋三首相は公明党に謝罪し、国会では参考人から批判が出た。一方、処分を受けた3議員の中には、今も発言に問題はないと話し、意に沿わない報道への敵意を隠さない人もいる。
「いろいろご迷惑をおかけして大変申し訳ない」。安倍首相は1日、公明党の山口那津男代表と面会し、陳謝した。謝罪の原因となったのは、安倍首相に近い自民党の衆参両院議員で設立した勉強会「文化芸術懇話会」。先月25日の第1回会合で報道を威圧する発言が相次ぎ、自民党は発言者3人を厳重注意処分にした。
「(発言に)問題があったとは思わない」。処分を受けた大西英男衆院議員(東京16区)は30日、国会内で報道陣に囲まれて話した。「『がんばれ』『よく言ってくれた』という激励の声が多い」
大西氏の懇話会での発言は「マスコミを懲らしめるには、広告料収入がなくなるのが一番」。処分を受けた翌28日のブログに「心より反省」と書き込んだが、30日には「個人的意見」として「誤った報道をするマスコミに対して、広告は自粛すべきだ」と語った。
大西氏は2013年3月の国会審議でもNHKの政治的中立性を質問。領土問題をめぐる特定のコメンテーターの見解について「明らかに国益に反する。しっかり対応を」と要請した。報道をめぐる発言以外でも、昨年4月には「まず自分が子どもを産まないとダメだぞ」と野党の女性議員にヤジを飛ばして謝罪している。
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