2015-07-03
■人工知能は人類進化の系譜をたどるのかもしれない。だとすれば・・・
騙されて読み始めたキングダム、すっかりハマってしまってもう27巻
キングダム 27 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
- 作者: 原泰久
- 出版社/メーカー: 集英社
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いやー、最初は単なる熱血歴史モノかと思ったら、途中から戦略とか入ってきてマジで面白いわ。
横山光輝の三国志よりももっと踏み込んだ感じ(三国志じゃないけど)。
これ読むと「大王」がまさに「大王」って感じがする。
しかしこの時代は野蛮だよね。
まあとにかくすぐ死ぬ。
命が安い。
横山光輝の三国志では、人が大勢死んでるはずなんだけど、そういうところは敢えて強調しない。
けど、「キングダム」では万単位の人が簡単に死ぬ。
戦争をテーマにしながらも、そこでおきる略奪や惨劇といったものも正面から描く。
わりと重要人物っぽい人が出てきてはアッサリ死ぬ。
まあこれは歴史モノならではだろうね。
とにかく毎回百人単位で人が死ぬし、コマによっては一コマで何十人か死んでることもある。
これをみて思ったのは、「なんか動物の群れっぽい」ということ。
狼が群れを作って他の群れと対決する。
大勢の狼が殺しあう。
なんかそういうふうに動物として見てみると、なるほど動物的な感じがする。
流れ星銀的な
- 作者: 高橋よしひろ
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この時代の人達はいまから2000年以上前の人たちなんだけど、やっぱやることがいちいち極端すぎてやばい。
例えば今は血筋がどうとかさほど問題にされない時代になったから、後宮なんてのも事実上ないわけだけど、これって単純に進化してない人類のマインドが極めて動物に近かったというだけの話のような気もするのよね。
中沢新一先生のカイエ・ソバージュ読むと、人間が動物から進化して「人間性」を獲得した、みたいなくだりがとても納得感があるんだけど、キングダムを読んでその思いが強まった。
人類最古の哲学 カイエ・ソバージュ(1) (講談社選書メチエ)
- 作者: 中沢新一
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たとえば、プログラマーという仕事ひとつとっても、20歳の頃の僕と、今の20歳のプログラミングスキルはぜんぜん違うし、僕より上の年のプログラマーが20歳だった時のスキルはやはりぜんぜん違う。
今の若い人のコーディング能力は、僕が若いころのコーディング能力とは別種のものだし、退化している部分もあるが、進化している部分もある。退化は進化の一種だと考えると、つまりほんの十歳の差が、決定的な進化の差になってる。
僕より上のプログラマーは、明らかに退化して見えるし、僕自身も、純粋に最先端の技術をやってるかということに照らせば、今の20歳よりは確実に退化している。この短期間に進化が起きてるとすれば、そりゃ収穫は加速してる気がするしシンギュラリティは近いと感じる。
つまりキングダムの描く春秋時代はまだ人類が進化していなかった頃の話であり、何世代もかけて進化したのだが、現代はそれが本当に加速度的に起きているということ。
生物種としての人類、ホモ・サピエンスが確立されて以降、人類の進化はもっぱら「思考・思索」の進化であり、「心」の進化であったのかもしれない。情報は進化しやすい。一人の人間の中でも何世代も進化する、できる。
したがって、21世紀に入ると充分進化・成熟した人間は戦争など起こさない。
ただし全ての人類が平等に進化できたわけではないので、まだ進化が遅れている地域は戦争が絶えないということなのだろう。
さて、人類はそこまで進化することができた。
では人工知能はどうか。
んで、Googleの人工知能というか、Googleフォトが黒人をゴリラと判定して大クレームになったという話がある。
【エヌ教授の事件簿】ディープラーニングでGoogleが人権侵害!?どうなる僕らの人工知能!?:電脳ヒッチハイクガイド:電脳空間カウボーイズZZ(電脳空間カウボーイズ) - ニコニコチャンネル:生活
http://ch.nicovideo.jp/akiba-cyberspacecowboys/blomaga/ar823598
僕は子供の頃、学校の先生がゴリラなんじゃないかとか、宇宙人なんじゃないかとか、とにかく見るもの全て怪しいと思っていた時代がある。
実際、たまに本当に喋るゴリラみたいなルックスの先生が居て、「あれは絶対類人猿だ」とか思っていた。
子供が間違える程度のことは、人工知能だって間違えるはずだ。
そして実際に間違えたわけである。
ただ、「子供だからね」と笑って済ませる場合はあったとしても、それにGoogleの看板がつくと話は少々変わってくる。
まあいってみれば、ご家庭でいくら「3組の吉岡先生、ゴリラにそっくりだ!」と言っても問題にはならないが、本人に言えば問題だし、テレビで言ったら大問題になるということ。
Googleはあわてて「ゴリラ」のタグを消したらしいけど、そんなことでこの問題が収まるわけはない。
たぶん次は「チンパンジー」とか、「カマキリ」とか、「キツネ」とか「ヘビ」とか、とにかく人間が一緒にされたくないものと誤認識されちゃって問題になるんじゃないかと思う。
というかそんなことは大人の人間でも、「この人カピパラに似てるなー」とか、「この人、毛虫みたいだなー」とか、頭のどこかで思ったりするわけで、それを口に出すかどうかは別の話である。
今のところ、人工知能はとにかく無垢。無垢っつうか無知。善悪好悪の判断ができない。
だからまあそのあたりが解ってる人工知能マニアの人達には「あーやっちまったかー」という程度のことであっても、人によっては大問題になる。
でもまだよかったよ。ゴリラくらいで。
これがもうちょっと進化して「チャラ男」とか「モテない」とか「胡散臭い」とかのタグがついたら怒る人はもっと居そう。実際そうだったとしてもね。
つうことは人工知能が次に学ぶべきは人の尊厳や名誉といったあたりだろう。
人工知能が進化する過程で、どこかで野蛮な時代を通過しなければならないかもしれない。
人工知能が野蛮な欲望を持ち、野蛮に振る舞うとすると、その過程でターミネーターのスカイネットやマトリックスみたいなことになってしまうかもしれない。
ビル・ゲイツやホーキング博士が「人工知能は危険だ」と警鐘を鳴らすのも、どうも最もなことのように思える。
しかし我々は禁断のパンドラの箱を開けようとしているのだ。
純粋に無垢な興味のために。
それがどういう結果をもたらすか、いまのところ、誰にもわからない
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