小野太郎
2015年3月27日20時12分
長崎県対馬市の寺から仏像と経典を盗んだなどとして、窃盗や関税法違反(無許可輸出未遂)などの罪に問われた韓国籍の農業金溶晃(55)、警備員安承喆(53)の両被告の判決公判が27日、長崎地裁であった。宮本聡裁判長は「被害品の歴史的、文化的価値を考えれば、結果は重大だ」として、金被告に懲役3年6カ月(求刑懲役4年)、安被告に懲役2年6カ月(同3年)を言い渡した。
判決によると、2人は別の3被告=いずれも同罪などで公判中=と共謀して昨年11月24日、対馬市の梅林寺にある保管庫から、市有形文化財の誕生仏1体と大般若経360巻(時価総額約1億1千万円)を盗み、一部を韓国に密輸しようとした。
判決は、金、安の両被告らが現場を下見した上で犯行に使う工具を購入したことや、実行、売却などの役割を分担していたことから、計画性や組織性が強いと判断。両被告は「実行犯として関与し、重要不可欠な役割を果たした」と指摘した。
事件では、韓国籍の男計5人が逮捕、起訴された。両被告を含む3人は起訴内容を認め、犯行計画を持ちかけたとされる自称僧侶の金相鎬被告(70)ら2人は起訴内容を否認している。(小野太郎)
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