中国 万里の長城の3割は消失、村民が煉瓦で家を建てる
【参考消息】 29日付の香港紙「東方日報」によると、国家文物局が2012年に公表した関連調査では、万里の長城の長さは2万1000キロメートルを超えたが、現在言う万里の長城は一般的に明の時代に建てられたものを指す。明の時代の万里の長城は延べ8800キロメートルあまり、中でも人工城壁の長さは6000キロメートルあまりだが、1900キロメートルあまりは消失した。
2006年に「長城保護条例」が実施され始めたが、司法者や具体的な細則の欠乏で「条例」の執行は難しい。中国長城学会の董耀会副会長は「長城が破壊される行為を発見したとしても、司法者が現場に駆けつけた際、文物がすでに壊されてしまった」と訴えた。
2014年の中国長城学会の調査によると、長城の保護状況は楽観的ではない。明の時代の長城を例に取れば、保存状態が良いのは8.2%のみ、保存状態が悪いのは74.1%、さらに地面の基盤しか残らない情況もある。
河北省秦皇島市撫寧県、盧龍県、唐山市遷西県など長城沿線地域への調査結果では長城の保存状況は悪く、一部の地域では文字が刻まれた煉瓦が盗まれたり、分解されたり、転売されたりする現象は珍しくない。
「京華時報」によると、地震や風雨による侵食など自然の原因はともかく、人為的な破壊は長城の保存を脅かす大きな脅威となった。城壁の煉瓦が盗まれたり、売りさばかれたりする現象は続発し、さらに観光ブームによる大勢の観光客の殺到は長城を破壊している。河北省秦皇島市盧龍県劉家営郷東風村の村民は「村民が貧しいため、昔は長城の煉瓦で家を建てるのが一般的だった」と語った。
(翻訳 孫義)