首掛け除菌剤でやけど 兵庫の男性、販売業者を提訴
神戸新聞NEXT 7月2日(木)21時1分配信
首に掛けるだけでウイルスや菌の除去ができるとうたった「ウイルスプロテクター」を使ってやけどを負ったとして、兵庫県南西部に住む30代男性が2日、販売業者の「ダイトクコーポレーション」(金沢市)を相手取り、治療費など約130万円の損害賠償を求めて神戸地裁姫路支部に提訴した。
弁護団によると、この商品に関する訴訟は全国初とみられる。男性は2013年2月、Tシャツを着て商品を首から掛けていた際、左胸にやけどを負った。治療に約1年かかったという。
同商品は中国製で「空間除菌」効果をうたい、愛知県の輸入業者=破産手続き中=が13年1〜2月に計約72万個を出荷。ダイトク社が販売を担った。しかし、同年2月、やけどを発症する事故報告が相次ぎ、消費者庁が使用中止を呼び掛けた。素材の次亜塩素酸ナトリウム錠剤の成分が汗に触れて溶け出し、皮膚に刺激を与えたとみられ、やけどの発症を訴える人は約300人に上るという。
弁護団は「被害を把握した後も自主回収や危険性の周知をすぐ行わず、安全配慮義務を怠ったのは明らか」と主張。同社は「真摯に受け止め、対応を検討したい」としている。