ヘンデルの魔法オペラの代表作「アルチーナ」(Alcina)の全曲盤を、アラン・カーティス指揮で聴いてみました。 HMVの情報ページはこちら 魔女アルチーナは、愛した人間の男ルッジェロを魔法の島に連れ去って、一緒に暮らしています。 そこへルッジェロの婚約者ブラダマンテが、男装して彼を救いにやって来ます。 すっかりブラダマンテのことを忘れていたルッジェロでしたが、次第にかつての気持がよみがえり、ついにアルチーナと別れる決心をします。 ルッジェロに棄てられたアルチーナは激怒、魔法の力で彼の心を再び自分に向けさせようとしますが、叶えられません。 ついにルッジェロはアルチーナの魔力の源泉である壷を壊し、今まで怪物や岩に変えられていた人間達も元の姿に戻って、めでたしめでたし♪ ・・・・・というあらすじですが、アルチーナにとっては愛する男に棄てられ、頼みの魔法も効かず、怒りと絶望で苦悩する悲劇。 恋すれば魔女も1人の女、そんなアルチーナの愛のドラマが見所のオペラです。 さて指揮者のアラン・カーティスは、今まであまり有名でないヘンデルのオペラを、カタログの穴を埋めるように?コツコツと録音してきた人です。 ここに来て、ようやく人気作品に手をつけたわけですね。 クリスティー盤の「アルチーナ」ではカットされていたバレエ音楽や、作曲はされたものの初演時にカットされたアリアも含む、完全版とも言える録音になっています。 アルチーナを歌うディドナートは、重量感のある声で凄みがあり、魔女役にピッタリです。 ルッジェロに棄てられ、魔法も効かずに窮地に立たされ歌う、有名な2幕最後の場面では、さすがの迫力で聴かせます。 ボーモン、ゴーヴァン、プリナ他の歌手も、技巧的な曲で危なっかしい箇所が若干あるものの、健闘していると思います。 ただ、全曲盤でしか聴けないような曲は概ね楽しめても、アリア集等に良く収録されていて、すでに色々な演奏で聴いている曲(Tornami a vagheggiar/Mi lusinga il dolce affetto/Verdi prati /Sta nell'ircana など)は、どれもイマイチなんですよね・・・。 歌手の問題ではなくて、オケがギクシャクしていて、音楽の流れが悪いんです。 これは、今までのカーティスの録音でも感じていたことですが・・・イントロを聴いただけで「ノリが悪〜〜い!」と思ってしまいます。 単に私とカーティスの相性が悪いだけなのかもしれませんが。 (そうだといいのですけどね) それからやはり(男性役の)ルッジェロは、カウンターテナーを使えなかったかなぁ、と思います。 ファソリスのファラモンドで思ったことですが、「男性役は男性歌手」だと、聴いていて断然ストーリーが追いやすいのです。 女性ばかり何人も使うと、声で判別がつきづらく、困ってしまいます。 (これは私だけなのかもしれませんが)女声は男声より、声の違いがわかりにくいような。 聴きながらしょっちゅう台本を見て、「これは誰のアリアだっけ?」と確認するハメになります。 3幕の聴き所、アルチーナ、ブラダマンテ、ルッジェロの三重唱も、女ばかりではちょっと・・・。 (^ ^;) 当時ボーイ・ソプラノが演じた少年役オベルトも、大人の女性が歌っていますが、これもウィーン少年合唱団あたりから選り抜きを調達すれば、役の性と歌手の性が一致します。 「アルチーナ」、次はぜひそんな録音が出て欲しいですね。 魔法オペラっぽい舞台設定のDVDもですが・・・。 |
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「アラン」といえば、昔アラン・ドロンという俳優がいましたね。 |
ことねっち URL 2009/04/12 19:27 |
ことねっちさん、 |
REIKO 2009/04/13 18:06 |
昨日、無性に『アルチーナ』が聴きたくなってフレミングやデセイが歌っているクリスティ指揮のを聴いたのですが、それも個人的にはイマイチで・・でコチラの盤はどうだったかと思い今頃また見に来ました。 |
アルチーナ 2009/09/01 09:55 |
アルチーナさん、 |
REIKO 2009/09/01 17:30 |
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