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<所沢・育休退園>市、保育園児9人に退園措置「納得できない」

埼玉新聞 7月2日(木)22時24分配信

 第2子以降を出産して育児休業を取得した母親が0〜2歳の上の子を原則退園させる所沢市の「育休退園」制度で、市が保育園児9人を6月末までに制度に基づいて退園させていたことが2日までに分かった。

 「育休退園」をめぐっては、子ども・子育て支援法などに違反するとして、市内の保護者11人が6月25日、市を相手取り退園の差し止めを求める行政訴訟をさいたま地裁に起こしている。2日までに新たに7人が訴えに加わった。

 市が6月末で退園措置を取った9人は、4月に出産して育児休暇を取得した保護者の0〜2歳児。市は9人の内訳などについて「訴訟を受けているので詳細はコメントできない」としている。

 4月に女児を出産し2歳の男児を持つ東所沢地区の母親(32)は継続保育の申請をせず退園届けを提出。1日からは男児の通園を取りやめた。「訴訟で勝訴になれば、子どもは元の保育園に戻れる。しかし市は、復園には『元の園に戻れるか確約できない』としており、元の園に戻れるか不安だ」と語る。また「市は保護者と待機児童を持つ保護者に戦わせているようで、納得できない。子どもを生む人がさらに少なくなるのではないか」と制度を批判した。

 市保育幼稚園課によると、本年度中に出産する母親は90人、待機児童は20人と見込んでいる。

 差し止め訴訟原告団の原和良弁護士は6月末で退園者が出たことについて「(退園した)保護者の中には不利益を被る退園強要があったのではないか。手続きは非常に疑問で、問題のある制度運用だ」と市の対応を批判。「待機児童で困っている人がいる」との声があることを挙げ、「社会全体で力を合わせるべき問題なのに、市が無用な保護者間の対立を生み出している。親同士にいす取りゲームをさせる市の責任が問われるべきだ」と訴えた。

最終更新:7月2日(木)22時24分

埼玉新聞

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