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 安倍晋三首相に近い自民党議員の勉強会でメディアを威圧する発言が出た問題について、2日の自民の派閥・グループ会合では苦言が相次いだ。

 石破茂地方創生相は自身のグループ会合でのあいさつで「例の『懲らしめる』『潰せ』という不穏当な話の余波が残っている。自民がガタガタッとくるときは、政策より『なんか感じ悪いよね』という国民の意識がだんだん高まっていった時に、危機を迎える、というのが私の経験だ」と危機感をあらわにした。岸田派の会合では林芳正農水相が「開いた口がふさがらない。論評に値しない」と勉強会での発言を批判した。

 麻生派の麻生太郎財務相は「我々は(安全保障関連)法案を通すのが大事。言うべき場所、言う人の立場、言う内容が、法案審議に差し障りが起きるようなことは、首相応援団のつもりだろうけど、足を引っ張る結果になった」と指摘し、法案審議への影響を懸念した。山東派の山東昭子会長は派閥会合後、記者団に「自分の考えは正論と思ったとしても、TPOを守らなければいけない。『沈黙は金』という言葉をかみしめる時だ」と語った。

 一方、二階派の会合で、伊吹文明・元衆院議長は「与党議員もメディアも、権力を持っているものは抑制的でなければならない。自分たちの気に入らないなら、やっつけてやるという気持ちを互いに持ってしまうと、とんでもないことが起こる」と指摘した。

 勉強会に多くの所属議員が参加していた最大派閥・細田派は、この日の定例会合を中止にした。