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 自民党は21日、昨年末の衆院選で中断していた憲法改正に向けた「対話集会」を盛岡市で再開した。仮に、改憲の国会発議に必要な衆参両院の3分の2の賛成が得られても、国民投票で過半数を得るためのハードルはなお高いとみるからだ。安倍晋三首相や自民は「世論対策」に本腰を入れ始めた。

 党憲法改正推進本部事務局長の礒崎陽輔・首相補佐官はこの日の集会で、党員や支持者ら約200人を前に「来年中に1回目の国民投票まで持っていきたい。遅くとも再来年の春にはやりたい」と述べ、来夏の参院選後に改憲の国会発議を行い、国民投票に道筋をつけたいとの考えを示した。

 礒崎氏はさらに「憲法改正を国民に1回味わってもらう。『憲法改正はそんなに怖いものではない』となったら、2回目以降は難しいことを少しやっていこうと思う」と述べた。1回目は一部の野党も含めて合意が得やすい環境権や緊急事態条項などを対象とし、9条などの難題は2回目以降に提起する考えとみられる。