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【政治】

機雷掃海「個別自衛権では困難」 防衛相が見解

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 中谷元・防衛相は一日、安全保障関連法案に関する衆院特別委員会の一般質疑で、中東・ホルムズ海峡での戦時の機雷掃海について、他国を武力で守る集団的自衛権を行使しなければ対応は困難だという考えを示した。

 中谷氏は、機雷敷設はシーレーン(海上交通路)を通過する船への無差別攻撃に当たるとして「日本を狙ったと認定するのは想定しがたい」と指摘。個別的自衛権に基づいて掃海すれば「国際法違反の恐れがある」と述べた。

 集団的自衛権行使についての国会承認を求める際、「存立危機事態」と認定する根拠に特定秘密が含まれる場合があれば「ニュースソース(情報源)や数字は明示せず、情報を整理して適切に公開し、理解を得ていく」と説明した。

 安保法案に盛り込まれている他国の軍事活動への支援拡大について、中谷氏は戦闘現場に向かう米軍機に燃料を補給するため「空中給油機の使用も排除されない」と説明。岸田文雄外相も、給油する場所が戦闘現場と一線を画しており、米軍の指揮・命令を受けないことなどを理由に挙げて、他国の武力行使との一体化を禁じる憲法解釈に反しないとの考えを示した。

 特別委は一般質疑に先立ち、参考人質疑を行い、有識者五氏が意見陳述した。

 与党推薦の小川和久・静岡県立大特任教授と折木良一・元統合幕僚長は、安保法案が成立すれば抑止力が高まるなどと主張した。

 野党推薦の柳沢協二・元内閣官房副長官補、伊勢崎賢治・東京外国語大大学院教授、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏は、軍事的な緊張が高まったり、テロに巻き込まれたりするリスクが増大する可能性を指摘した。

 与党は特別委の理事会で、法案採決の前提となる中央公聴会を八日に開催する日程を提示。野党は時期尚早だと反対した。二日にあらためて協議する。

 

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