大正天皇(1879~1926)の日々の行動などを記した「大正天皇実録」について、宮内庁は2002~11年に公開した際に「個人識別情報」として一部を黒塗りにした方針を見直し、その大半を開示した。宮内庁は「歴史的文書の公開・非公開の判断にあたり、時の経過を考慮した結果」と説明している。

 大正天皇実録は1937年に完成し、計95冊で構成される。朝日新聞社の情報公開請求を契機に、2002年から4回に分けて開示された。しかし、全体の約3%が黒塗りにされ、専門家からは「歴史への冒瀆(ぼうとく)」という批判の声があがっていた。

 宮内庁によると、昨年公開された昭和天皇実録では、11年に施行された公文書管理法の「時の経過」を踏まえて検討し、黒塗りされなかった。今回の見直しでも同様の水準を適用し、黒塗りは全体の0・5%ほどに減ったという。