ハンプ氏がトヨタ役員辞任、麻薬取締法違反容疑で逮捕 就任3カ月
[東京 1日 ロイター] - トヨタ自動車(7203.T: 株価, ニュース, レポート)は1日、麻薬取締法違反(輸入)容疑で逮捕されたジュリー・ハンプ常務役員(55)が辞任したと発表した。ハンプ氏が6月30日に弁護士を通じて提出した辞表届をトヨタが同日付で受理した。
ハンプ氏は「麻薬を輸入したとは思っていない」と容疑を否認しているが、逮捕による同社への影響を重く受け止め、責任を取った格好。
米国籍のハンプ氏は米飲料大手ペプシコや米ゼネラル・モーターズを経て、2012年にトヨタの米国法人に入社。今年4月1日付でトヨタ初の女性役員として本体の常務役員に就任し、グローバルでの広報・渉外部門を統括していた。国籍や性別、年齢を問わず、有能な人材の登用を目指す目玉人事の1つだったが、就任からわずか3カ月でトヨタを去ることになった。
トヨタは「逮捕以降、世間を大変お騒がせし、多くの方々にご心配やご迷惑をおかけしている」ことを考慮して辞表届を受け入れたとのコメントを発表。後任については「今後検討していく」(同社広報)が、当面は置かない方針という。
警視庁は6月18日、米国から成田空港に麻薬成分「オキシコドン」を含む錠剤を国際宅配便で輸入した疑いでハンプ容疑者を逮捕。その後、愛知県豊田市の本社や東京都文京区の東京本社などが捜索を受けた。豊田章男社長は逮捕翌日の19日に都内で会見し、同容疑者について「法を犯す意図がなかったと信じている」と述べていた。
*内容を追加します。
(白木真紀)
© Thomson Reuters 2015 All rights reserved.