京急大津港小川丸 午前ビシアジ釣り

6月27日から1泊2日、南伊豆の妻良港で大学釣り部の後輩とボート釣りを楽しむ予定にしていたのだが、2日前の天気予報で悪天候が予想されたためすべてキャンセルとなり、気分はガックリ。だが、一度気持ちが釣りモードに入ってしまうと我慢ができないのは哀しい釣り人の性である。


そこで考えたのは地元湘南エリアでのんびりとボート釣りを楽しもうと考えて前日にボート店に電話を入れると「明日はウネリが残っていて波高が2.5mの予報なので出られません」というではないか。天気は良いのだが、南寄りの風と前日からの低気圧の影響でウネリが残るのでダメだということ。これは辛い。まさにダブルパンチだ。そこで最後の神頼みが京急大津港の小川丸のビシアジ釣りに。午前船なら日曜日の午後でも混雑は少ないはず。乗合船だから予約は不要だし、日曜ETC割引で横横道路も安い。


午前7時30分の出船だが、途中の朝食を松屋のオリジナルカレーの弁当に変更して到着を急いだ。前回のマルイカ釣りでは1時間以上前に到着しても残席が一つしかなかったためリスクを回避するためにとった「持ち帰りカレー」作戦は一応成功した。お気に入りの右舷胴の間に釣り座を構えて支度に始めると、乗船客は筆者を含めて8名とのこと。マルイカ人気とはだいぶ様子が違う。そう言えば、ここ数週間、東京湾のビシアジの釣果が芳しくないのだ。とはいえ、天候は晴れで風は南寄りの微風だからそこそこは数釣りが楽しめるだろうと甘く考えたのが失敗のもと。魚は潮の申し子とも言われ潮具合が悪いだけで食いは極端に落ちてしまう。まさかそれが当日とはつゆも思わなかった。


若船長は定刻より5分ほど早く港を離れて真沖のポイントに向かった。走ること約10分程度で最初のポイントに到着。船長の合図で釣り開始。130号のビシにイワシミンチを9分目ほど詰めて海底に落とし込むと、水深は約50m。そこから指示ダナである2〜3m上にコマセを2回に振り出しながらタナにセットしてアタリを待つ。一般的にビシアジ釣りのアタリはコマセを振ってから大体10秒前後にクンクン、グングンと明確に出るもの。それがなかなか出ないのだ。アタリが遠く、マメに手返しを早めてもアタリはない。


やっとアタリが出たのは釣り開始から約40分が経過してからだ。穂先にグングン、グググッと重量感のある強い引き込みで電動リールを中速で巻き上げると、海面に割って顔を出したのは全長30cmオーバーの良型ではないか。針掛りが上顎付近であることを確認して，一気に船内に取り込む。このサイズなら10匹も釣れば良いお土産だ、と思ったのが悪かったのかアタリは忘れた頃にポツポツと訪れる程度。完全に食い渋りの状態である。右隣の鈴木さん（横浜市）は良型アジをタモを使って慎重に取り込んでいる。目測でも35cmは軽く越えている感じだ。口切れでバラしたらもったいない。


だが、無精者の筆者はタモの網目に針が引っ掛かって手返しが悪くなるのを嫌ってタモを使わない。バレる魚はどうやってもバレるのだから諦めることにしている。その後も運良く海面でのバラしはなく、合計6匹を釣り上げた。高級ゲストのクロメバルは2匹だけ。メバルが食い付くということは海底付近は潮濁りが強いのかも。鈴木さんは持参したアオイソメを針に付けていたが、特に数多く釣っていたという印象はない。


船長は点々と活性の高い群れを探して移動を何度も繰り返してくれたが、猿島沖の浅い25m前後に最後の望みを掛けたが、数は釣れなかった。当日の竿頭は11匹で、ゼロの人も出てしまったようだ。激渋の日に当たるのはこれで何度目だろうか。前回のマルイカもしかり、今回のビシアジもしかり。釣りは奥が深いと思い知らされた日となった。


左隣のさいたま市から来たという室田さんは沖釣り初挑戦とのこと。「これまでボート釣りは数回経験しているんですが」と謙遜されていたが、良型アジを数匹ゲットして嬉しそう。高級ゲストはメバル数匹とカサゴなど。息子の大貴君はバケツの中のアジやメバルを見ながら「今晩はお刺身と塩焼きだね」と笑顔が溢れていた。家族で沖釣り、最高の趣味ではないだろうか。数がたくさん釣れない日でも初めて釣る楽しみ、醍醐味を満喫できればそのひとにとっては何よりの大漁なのだろう。






相浜港松丸 イサキ釣り

毎年梅雨時になると南房のイサキ釣りに千葉市在住の釣り仲間、河野君と出掛ける。相浜港の港から午前5時に出船するる松丸が筆者のお気に入り。出船が早朝のため宿に河野君と前泊するのも恒例行事に。夕方から同じ船に乗船する釣り人と杯を傾けるのも一興だ。釣り談義に華を咲かせて飲み過ぎには要注意である。


6月22日は月曜日にも関わらずなんと14人の大盛況。大型船だけに片舷7人でも窮屈感はない。当日の天候は弱い北寄りの微風で海上は凪。筆者は左舷トモから2番目に釣り座を構えて支度に余念がない。定刻より少し早く港を離れたと思ったら最初のポイントまでわずか10分足らずで到着。驚いたのは船長の指示ダナだ。なんと8㍍だというから耳を疑った。10mまでFL60号ビシを沈めて2回に分けてアミコマセを振って指示ダナで待つと、プルプルと大人しいアタリで釣れてきたのは全長18cm弱のウリンボである。正直「南房まで来てこのサイズは哀しいね」と河野君と苦笑い。それでもアタリが頻繁あれば良いのだが、ポツポツといった状態で活性が低いのだ。


船長も痺れを切らしてポイント移動を繰り返す。指示ダナが25cmのポイントで再開。すると午前7時前からやっと南房サイズとも言える30cm級が穂先を曲げてくれる。だが、追い食いを待ってもなかなか多点掛けができない。うまくいってもダブル止まりが続く。それでも良型が食い付くと引き込みは強く、時々リールを巻く手を止められることもしばしば。「やっと南房の梅雨イサキらしい釣りになってきた」と筆者の独り言に振り返ると河野君はシッカリ3点掛けを達成して満足そう。


右舷トモの木下さん（国分寺市）は初心者ながら順調に数を延ばしている。裕に30cm超のビッグサイズを釣り上げた瞬間に運良く撮影に協力してもらった。なんと趣味が野球（観戦ではない）だという73歳と聞いて驚いた。釣りの指導に当たる友人、川上さん（千葉県白井市）もベテランらしく良型を次々に手際よく抜き上げている。追い食いで3点掛けを何回か達成するほどの腕前だけに数も相当釣っている様子。


さて、筆者はというと午前7時30分過ぎからやっと良型のダブルを抜き上げてひと安心。その後トリブルを1回達成してやっと念願の3点掛けができたかなっと思ったら海面で1匹バレてしまった。食いが浅いようだが、使っている針がチヌ針1.5号が悪いようで船内に取り込んだ直後に口から針が外れることが多かった。確かに、追い食いを待って長い間待つと掛かった針穴が広がり抜き上げの瞬間に外れることが多かった。おそらく針をムツ針に変更すれば少しでも海面バラしは防げたかもしれない。仕掛けを交換する手間を惜しんだのが敗因だろう。


結局、午前11時20分に沖揚がり。船中釣果は25〜50匹といった数字が宿のHPに掲載されていたが、ベテランは確実に50匹オーバーだったはず。筆者はウンリボのリリース分を含めて25匹だからたぶんスソだろう。それでも3点掛けの強烈なイサキの引き込みは快感の一語だ。残念だったのは高級ゲストのオキメジナやタカベが混じらなかったこと。船中でも数匹しか釣れなかったようだ。


港に着いてから船長に話しを聞くと「最初のポイントでは潮が急に澄み潮になったのでウリンボしか食わなかったね。南風の吹いた翌日は潮が澄んで水温も下がるからね」と教えてくれた。


自宅に戻って約1年ぶりの梅雨イサキは絶品。個人的に刺身とナメロウが好みだが、歯応えのある刺身は噛むと上品な甘みが口の中に広がり、至福の時を満喫できる。翌日の塩焼きも旨かった。忘れてならないのが白子と真子。真子が多くて、白子が極端に少なかったため残念ながら楽しみにしていた白子ポンズは断念。煮付けにして美味しくいただいた。


相模湾では到底実現できないであろう30㌢級のイサキの3点掛けをイサキファンならぜひ南房で達成して欲しいものである。

　　　　　　　





鴨居大室港五郎丸 午前マルイカ釣り


好釣果が続くマルイカを狙って6月13日の土曜日に鴨居大室港の船宿から午前船で出漁した。当日は風のない凪模様の週末ということもあり、マルイカ船は両舷で20人以上の乗船客で大盛況。前日に予約電話を入れておいた筆者は右舷のトモから4番目に座ることができた。ただ隣同士の間隔が狭く、潮流が速ければオマツリ必至の状況だ。左隣の三塚さん（足立区）に挨拶をすると「前回と前々回はアタリもなく、乗り渋りが続き撃沈でした。今日こそはということでリベンジですよ」と入れ込んでいる。筆者は今シーズン初のマルイカ釣りでなんとか数杯は釣りたいと出船の1時間以上前に到着。しかし、港前の駐車場はすでに満杯で第二駐車場（鴨居港）に移動させられた。とはいえ軽ワゴンでの送迎があるから苦にはならない。


出船は午前7時20分。港を離れてからわずか15分前後で最初の投入の合図。ビックリしたのは水深の浅いこと。なんと12�端紂�仕掛けの全長を考慮しても20�端紊任△襦Ｉ�者が準備した超小型電動リールは浅過ぎて無意味と判断。小形両軸の手巻きリールに変更。最初の鴨居沖ではアタリが出ても乗らない状況が続き、やっと1杯目が釣れたのが午前8時20分頃。レギュラーサイズよりも小さい可愛いマルイカを手にできてホッと胸を撫で下ろす。


周囲でもアタリは出るようだが、うまく掛けられる人は極少数のベテランだけ。船長はヤル気のある群れを探しつつ潮回りを何度も繰り返すが、活性は低いまま。一般的にはポイント移動直後の一投目は着底と同時にアタリが出るものだが、それがほとんど感じられないのだ。


釣り方は直ブラ仕掛けを使ったためオモリ=50号（PE2号まで）が着底してから3秒待ってから軽く誘いを入れて、アタリが感じられないと1mほど底を切って即座に10回程度穂先を上下に震わせるタタキ釣りを繰り返す。叩いた直後に穂先を静止させてイカからの僅かなアタリに神経を集中する。だが、途中、何度か空アワセを入れるもののイカからの反応はない。もちろん、触りがあっても掛けられない場面も数回はあったのだが、それは腕が未熟ということ。お恥ずかしい限りだ。


右隣の川口さん（世田谷区）は「触りはあるんだけど掛からないね」と首を傾げる。周囲の他船でもイカを取り込む姿はほとんど見られない。狭い範囲に小さな群れが固まっている状態のようだ。4〜5隻がその群れの周辺をグルグル潮回りする姿が見受けられた。


痺れを切らした船長は一路久里浜沖にポイント移動する。アシカ島が間近に見える場所で再開。水深は少し深くなって25�蛋宛紂�だが、イカの乗りは渋いまま無情にも時間は過ぎていく。


左隣の三塚さんは微妙な触りに素早く合わせてポツポツと釣り上げる。イカが乗ったスッテの色を見ると、オレンジ/グリーンに集中している。そこで筆者もほぼ同様な色のスッテをタックルBOXから探し出して中間付近のスッテと交換すると、それが功を奏して運良く標準サイズを釣り上げた。久里浜沖では群れの活性が若干高まったようで、午前11時30分頃から約10分間は着底直後に明確なアタリが出て2杯目をゲット。

　

だが、時既に遅し。午前11時50分に沖揚がり。筆者と川口さんは3杯。リベンジ釣行の三塚さんは7杯を釣り上げていた。船中の釣果は0〜37杯とのこと。左舷ミヨシの釣り人が竿頭だった。川口さん曰く「直結仕掛けにすればもっとアタリは出ていたかも。でもバレやすいから難しいんですよ」とひと言。


今年のマルイカは群れも広範囲にあり、活性の高い日にうまく当たれば爆釣も夢ではないというのだが。腕の差が大きく出るゲーム性の高い釣りモノであることは間違いない。


自宅に帰って久しぶりに食べたマルイカの味は超絶品。口の中に広がる甘みとコリコリとした歯応えの絶妙なハーモニーが堪えられない。刺身は翌日の晩も食べたのだが、2日目の方が旨味成分が凝縮された感じで最高に旨かった。この味覚があるから何度も通い詰めるのだろう。


今年のマルイカは7月末頃まで釣れそうという情報も入っている。ぜひ再度挑戦して大漁の夢に酔いしれたいものである。3杯という貧果では納得が行かないのだ。


実はもうひとつ欲張って手漕ぎボートで浅場のマルイカに挑戦してみたい。場所は魚影の濃い葉山周辺を検討中である。水深20m以内ならボート釣りでも充分狙えるはずだからだ。






金沢漁港忠彦丸 夜アナゴ釣り


東京湾の夜アナゴが数年ぶりに好調と聞いて出掛けたのは6月6日。向かったのは金沢漁港の忠彦丸だ。同宿の夜アナゴは釣り客が3人以上集まらないと出船できないルールがある。だが、前週末の釣果がトップ14本と良かったためか午後5時30分の出航までに16人ものアナゴファンが乗り込んだ。筆者は左舷ミヨシから2番目に座り、約5年ぶりのアナゴタックルの準備に余念がない。1.2�辰離▲淵幹箸�2本と予備にチョイ投げもできるスピニングタックルを1本用意した。（実際に使ったのは2本だけ）


当日のアナゴ船は定刻より5分ほど早く港を後にしてポイントの木更津沖まで約25分のクルージング。当日の天候は小雨混じりの曇天。予想外の雨模様に愕然とするものの風は弱く、アナゴ釣りには悪くないはず。ただ陽が落ちると海の上は寒くなる。上下とも合羽の着用は言うまでもない。


船長はポイントに到着するとアンカーを投入しカカリ釣りの準備。午後5時55分頃から釣り開始。水深は12〜17�蛋宛紂Ｄ澆蠑皀�モリは25号を使用し、夜光ビーズが数珠状になった短い1本針にアオイソメを縫い刺しにして仕掛けを投入。もう1本の竿も同じ仕掛けをセット。仕掛け直上のサルカン近くに短いケミホタルを装着。海底で目立つようにすることがアナゴ釣りの鉄則だ。


筆者は運良く釣り開始から約10分程度で1本目を釣り上げた。2本の竿を両手に持ち、オモリが海底をトントンと交互に叩く誘い方でアナゴにアオイソメをアピールする。大切なのはアオイソメの頭をハサミで切り落としてから装餌すること。こうするとアオイソメの体液が出て、アナゴの捕食行動を刺激することになる。光りと臭いの相乗効果で集魚力をアップするという定番釣法だ。


その後も筆者は誘い方が功を奏したのかポツポツとアタリが出て、順調に数を延ばす。ググッという違和感を感じたら速攻で竿先を大きく煽って針掛りさせる。良型になるとアワセを入れた直後に強烈に引き込むから針に掛かったのが分かる。リールを巻く手を一瞬止められることもある。長い魚（タチウオなど）は引き込みが強いのだ。


だが、アタリが弱い時はどうしてもアワセが弱くなる。そうすると巻き上げ途中でフワッと軽くなり、バレてしまうことがある。アナゴの口は硬く頑丈だから力一杯竿を頭上高くまで上げてアワセることが大切だ。

　

7時20分頃、集魚灯が灯させてからアタリが遠くなり、周囲でもポツリポツリと忘れた頃にアタリが出る程度に。すると船長はアンカーロープを延ばして微妙なポイント移動を繰り返す。すると筆者の右隣に座った大田区の花本さんは素早く良型を取り込む。2本竿を交互に操り慣れた手つきだ。因に花本さんが13本で当日の竿頭だったとのこと。筆者は8本とまずまずといったところ。


結局、午後8時50分で沖揚がり。船中釣果は16人で76本。残念ながらボウズの人もいたようだ。船長は「そろそろ終盤だけど釣れているうちは出ますから」とのこと。釣れている今年はチャンス!  数年ぶりのアナゴ料理で仲間と酒宴を催すというのも良いだろう。


参考までに筆者は翌日に煮付けと天ぷらで食べて舌鼓を打ちまくり、さらに翌日に塩麹に一晩漬けてから焼いて食べたが、どれも旨過ぎて酒量が増えてしまった。旨いアナゴを食べたければ釣りに行くしかないのだ!　　　　　　　　　　





真鶴半島エトーボート シロギス五目釣り


新緑が目に眩しく爽やかな潮風が頬をつたう快適なボート釣りの季節が到来。5月23日に出掛けたのは真鶴半島の尻掛浜にあるエトーボート。前日に電話（090-3048-3734）を入れると「明日は朝5時から出られるよ」という返事。自宅の藤沢を午前5時10分に出て真鶴到着は午前6時15分過ぎに。それでも無料駐車場と同店の無料送迎はとても助かる。

　午前7時前には無風の海に漕ぎ出すことができた。ポイントは至近距離。ボート乗り場の真沖だ。漕ぐ時間は5分程度。水深18�蛋宛紊�らノーアンカーで仕掛けの準備完了。当日は朝からほとんど無風でパラシュートアンカーを投入する必要もない。オモリも12号と軽い仕掛けに接続してすぐに投入すると、ものの10分でアタリ。釣れてきたのは定番ゲストのヒメジだ。その後もポツポツと穂先を振るわせて適度にシロギスが釣れる。嬉しいのは小さいピンギスが混じらないこと。平均すると20�村紊箸い辰心兇犬念�き込みも楽しめる。付けエサはジャリメよりヌメリの少ないアオイソメを個人的に選択。JR真鶴駅近くのアオキ釣具店で1パック450円で購入。付け方は通し指しで垂らしは2�堕�度だ。

　釣り方は潮が流れていく方向へチョイ投げするだけ。距離は20�端紂�オモリが着底するまで道糸を出し続けてから糸フケを取ればあとは置竿でアタリを待てばいい。

　だが、朝のうちは活性が低いためかプルプルっとアタリが穂先に出ても引き込みが弱い。2回目のググッという突っ込みで竿を手に取り手首を軽く返してリールを巻き始めるが針掛りが悪い。エサだけ取られて魚は逃げている。そんな状況を何度か繰り返して、3回目のアタリでリールを巻いてくるとやっと良型をゲットできる状況だ。

　シロギス釣りの定番ゲストは顎に黄色いヒゲを持つヒメジが多い。東京湾に多いメゴチの数はここでは少ない。おそらく海底の地形が泥質ではなく砂地帯が中心だからだろう。当日のメゴチは1匹だけだった。

　真鶴半島はドン深の地形で周囲に岩礁帯が広がっているためゲストの種類が多彩だ。その典型がカワハギ。強烈な引き込みと海面近くでの横走りで釣れたのがなんと全長25�造領彪拭�思わず玉網で掬いあげた。針の掛かり場所が悪ければハリス1号ではひとたまりもない。5月下旬というのにキモはもうバンバンだった。その後もシロギスに混じって多彩な魚種が穂先を曲げてくれた。20�造離泪瀬い籠営�度のミノカサゴ、色鮮やかなキュウセンはギュンギュンとリールを巻く手を止めさせるほど。雄は青く雌は赤系統。食べて美味しいベラだけにすぐにクーラーBOXに。

　その後もポイントを点々と移動しつつ、途中からパラシュートアンカーを投入してボート乗り場前から福浦漁港方向へ漕ぎ戻って何度も繰り返した。

　風は終始微風だったが南寄りの風から東、北寄りと目まぐるしく変わったのが当日の難点。途中で流れ藻が仕掛けや道糸に絡み始めて、移動の繰り返しが続いた。それでも風と潮の流れが緩いため移動が比較的簡単で安心して釣りが楽しめた。

　真鶴のボート釣りは沖揚がりが早い。午後1時前には着岸の約束だから昼過ぎにはボート乗り場前で最後の一投。だが釣れたのはキタマクラでガックリ。

　とはいえ、終始穂先がお辞儀をする忙しくも楽しい釣りを満喫できた。釣果はシロギスは14匹、ヒメジ5匹、キュウセン5匹、ササノハベラ1匹、カワハギ2匹（全長25cm含む）、マダイ、メゴチ、トラギス、ミノカサゴ。数えるとなんと9目釣りを達成していた。それだけアタリが多かったということ。付けエサはアオイソメだけ。水深18m下の海水温は18度であった。

　唯一残念なのはメゴチやピンギスが釣れないため端物竿でマゴチやヒラメが狙えなかったことである。これも贅沢な悩みといえよう。

　6月中旬までは水深15m前後の浅い場所でガンガン良型シロギスが数釣れるはず。凪の日を選んで真鶴のボート釣りを楽しんで欲しい。ただアンカーはボート店装備のパラシュートアンカーしか使用できないので念のため。風の吹かない凪の海はボート釣りに最高である。1日3000円のレンタル料も魅力だ。

　真鶴のボート釣りは乗り場まで細い獣道を下るのが大変。帰りは当然上り坂だから荷物は最少限にして軽量化をオススメする。前日の電話予約は平日でも実行しよう。





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