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長江客船転覆1か月 原因調査公表されず7月1日 14時52分
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中国の長江で客船が転覆し442人が死亡した事故から、1日で1か月となりましたが、事故原因の調査状況は公表されず、中国メディアも事故について伝えなくなっていて、中国政府としては、情報の統制を通じて、事故に関する人々の疑問や不満が政府批判に向かわないようにする思惑があるものとみられます。
この事故は先月1日、長江中流域の湖北省南部で乗客乗員454人を乗せた客船が転覆したもので、12人が救助されたものの、442人が死亡しました。
事故の発生から1日で1か月となり、転覆した客船は現場から10キロほど離れた長江の中州に移動され、現場付近には事故に関するものはほとんどなく、訪れる人の姿も見られません。
中国政府は事故原因について調査チームを作り、事故当時の気象条件や改造された客船の安全性に問題がなかったかどうかなどを調べているとしていますが、調査状況は一切公表していません。
また、中国メディアは事故についてほとんど伝えなくなっていて、中国メディアの関係者は「国営メディアの報道を引用しなければならず、独自の報道は難しい」と述べ、当局が報道を厳しく規制していると証言しています。
遺族の間からは、政府の情報公開の在り方への不満や事故の風化を懸念する声が上がっていますが、中国政府としては、情報の統制を通じて事故に関する人々の疑問や不満が政府批判に向かわないようにする思惑があるものとみられます。
事故の発生から1日で1か月となり、転覆した客船は現場から10キロほど離れた長江の中州に移動され、現場付近には事故に関するものはほとんどなく、訪れる人の姿も見られません。
中国政府は事故原因について調査チームを作り、事故当時の気象条件や改造された客船の安全性に問題がなかったかどうかなどを調べているとしていますが、調査状況は一切公表していません。
また、中国メディアは事故についてほとんど伝えなくなっていて、中国メディアの関係者は「国営メディアの報道を引用しなければならず、独自の報道は難しい」と述べ、当局が報道を厳しく規制していると証言しています。
遺族の間からは、政府の情報公開の在り方への不満や事故の風化を懸念する声が上がっていますが、中国政府としては、情報の統制を通じて事故に関する人々の疑問や不満が政府批判に向かわないようにする思惑があるものとみられます。
「報道ない」憤る遺族
事故で家族を亡くした遺族の間からは、事故に関する情報の公開を政府に求める声が上がっています。
このうち、妻など家族5人を亡くしたという上海の男性は、NHKの電話取材に対して「こんなにも多くの犠牲者を出した事故なので、事故原因など各方面の調査や報道がされるべきだが、国内メディアは全く報道しなくなった」と述べて、事故が風化してしまうことを懸念しています。そして、この男性は、「公正な立場で調査して、事故のいきさつを犠牲者の家族に伝えてほしい」と述べ、政府に対して事故に関する情報を速やかに公表すべきだとしています。
また、母を亡くしたという江蘇省の女性も、「家族の思いは政府に少しでも早く原因調査の結果を出してもらうことです。テレビのニュースなど、どんな手段を通じてもいいので公開してほしい」と述べたうえで、一部の遺族の間では、政府に対して、情報の公開を要望するかどうか検討していることを明らかにしました。
このうち、妻など家族5人を亡くしたという上海の男性は、NHKの電話取材に対して「こんなにも多くの犠牲者を出した事故なので、事故原因など各方面の調査や報道がされるべきだが、国内メディアは全く報道しなくなった」と述べて、事故が風化してしまうことを懸念しています。そして、この男性は、「公正な立場で調査して、事故のいきさつを犠牲者の家族に伝えてほしい」と述べ、政府に対して事故に関する情報を速やかに公表すべきだとしています。
また、母を亡くしたという江蘇省の女性も、「家族の思いは政府に少しでも早く原因調査の結果を出してもらうことです。テレビのニュースなど、どんな手段を通じてもいいので公開してほしい」と述べたうえで、一部の遺族の間では、政府に対して、情報の公開を要望するかどうか検討していることを明らかにしました。