麻薬容疑常務逮捕:本人辞表をトヨタ受理「世間騒がせた」
毎日新聞 2015年07月01日 20時01分(最終更新 07月01日 20時10分)
トヨタ自動車は1日、米国から麻薬成分を含む錠剤を密輸したとして麻薬取締法違反(輸入)容疑で逮捕された同社常務役員、ジュリー・ハンプ容疑者(55)が6月30日付で役員を辞任したと発表した。同日、弁護士を通じ、本人から辞表が届き、同社が受理した。
トヨタは、辞表を受け入れた理由を「世間を大変お騒がせし、多くの方々にご心配やご迷惑をおかけしていることを勘案した」と説明。ハンプ容疑者が辞表を提出した具体的な理由は不明だが、逮捕でトヨタの業務や企業イメージに悪影響を及ぼしていることの責任を取った格好だ。
ハンプ容疑者は今年4月、女性としては同社初の常務役員に就任し、渉外・広報部門の副本部長を務めていた。しかし、6月18日、麻薬成分「オキシコドン」を含んだ錠剤入りの小包を米国から輸入したとして警視庁に逮捕された。トヨタは当面、ハンプ容疑者の後任を置かない方針だ。
トヨタは逮捕翌日に豊田章男社長が緊急の記者会見を開き、「世間をお騒がせした」と陳謝した。捜査への全面協力を約束する一方、「法を犯す意図はなかったことが明らかにされることを信じている」と強調。その後、トヨタ本社などが警視庁の家宅捜索を受け、同社内で衝撃が広がっていた。【森有正】