津阪直樹
2015年7月1日09時09分
日本銀行が1日発表した6月の全国企業短期経済観測調査(短観)は、企業の景況感を示す代表的な指標の「大企業・製造業」の業況判断指数(DI)が前回調査(3月)から3ポイント改善してプラス15となり、3四半期ぶりに改善した。大企業・非製造業も改善が続いており、緩やかな景気回復基調が確認された。
短観は、日銀が3カ月ごとに全国の企業約1万1千社に景況感や自社の業績などを聞いている。DIは景気が「良い」と答えた企業の割合から、「悪い」と答えた企業の割合を引いた指数で、前回よりプラス方向に変化すれば景気の改善を示す。
製造業は、大企業で自動車や鉄鋼などが輸出の低迷を受けて悪化したが、生産用機械や業務用機械など設備投資に関連する業種で改善した。中小企業・製造業は前回より1ポイント悪化のゼロで、大企業より景況感を慎重に見ている企業が多い。
一方、非製造業は大企業が4ポイント改善のプラス23、中小企業が1ポイント改善のプラス4と、企業規模を問わず改善した。大企業は3期連続、中小企業は2期連続のプラスで、いずれも消費増税前の14年3月以来の高水準となった。大企業では、小売りや宿泊・飲食サービスが好調で、前回から17ポイント、9ポイントそれぞれ改善した。訪日外国人が増えて消費を後押ししたことなどが影響したとみられる。
3カ月後の景況感は、製造業で大企業が1ポイント改善、中小企業が横ばいを予想。一方で非製造業は、大企業が2ポイント、中小企業が3ポイントそれぞれ悪化を見込む。
大企業の設備投資も旺盛で、製造業の2015年度の設備投資計画は前年度比18・7%増と、前回調査から11・8ポイント上方修正となった。6月段階としては04年度以来の高水準だった。企業の人手不足感が依然として強いことも確認された。人手が「過剰」と答えた企業から「不足」と答えた企業を引いた指数は、全規模・全産業ベースでマイナス15。3カ月後の先行きもマイナス18と、さらに不足するとの見通しになっている。(津阪直樹)
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