[PR]

 2040年代を見据えた東京のグランドデザインを描く都の検討委員会の初会合が30日、都庁で開かれた。音楽家の椎名林檎(りんご)さんをはじめ芸術文化や医療福祉、働き方など各界で活躍する若手中心の識者8人が近未来の東京の魅力を高める方策を提言した。

 検討委員会は、舛添要一知事が東京の生活像に着目して、医療福祉、芸術文化、ビジネス、働き方、科学技術などの幅広い分野で東京が目指すべき方向性を探るのが狙い。初会合では第一線で活躍する新進気鋭の識者が招かれた。

 和服姿で登場した椎名さんは、青山劇場や日本青年館など利便性が高い芸術の場が次々に閉館し、東京から芸術の場が消えていると指摘。「海外から来た外国人をリラックスして案内できる『自慢の名所』が乏しい」と語った。

 その上で、椎名さんは、東京を芸術の本場にするために、大阪万博から半世紀にあたる2020年の東京五輪の開催時に、日本の芸術文化を結集して発信する場として、東京万博を開催できないかと提案。従来型の万国博覧会ではなく、大阪万博からの半世紀で日本人が生み出し、様々な企業や団体が、未来の子たちに託したい宝物を東京の一等地にタイムカプセルのようにして半永久的に残すイメージで、将来、訪れた人が「粋の本場」を体感できる場の実現を求めた。