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【新人ディレクター向け vol.3】Web制作における財務について(請求・入金・源泉徴収)

【新人ディレクター向け vol.3】Web制作における財務について(請求・入金・源泉徴収)

GWに仕事以外の予定がなかった中水です。

新人ディレクター向けシリーズ、第3弾です。
過去2回の記事では、主に契約書を題材にして法律周りを書いてみました。

 
改めて制作の一連の流れのおさらいをすると、下記のとおりです。

  1. 引合
  2. 提案
  3. 契約
  4. 発注
  5. 制作
  6. 納品
  7. 検収
  8. 請求

今回からは【財務関連】について、現場の事例も交えてポイントを書いてみようと思います。「請求」の部分ですね。

ディレクターに数字目標はつきもの

ディレクターをやっていると、クリエイティブを追求することはもちろんですが、数字目標を追いかける必要もありますよね。
組織として動いている以上、かつプロとして従事している以上、数字もとっても大事なのです。

財務関連といえば、やっぱり売上がメインのお話になります。
そこで、注意しなければいけないポイントはこちら。

  • 請求タイミング
  • 入金タイミング
  • パートナーさんの費用

大きくこの3つが大事な要素です。ひとつずつ解説してみます。

請求タイミング

これは契約書にも盛り込まれる内容で、請負契約であれば、通常は納品月の月末請求となることが多いです。
(契約の種類は前回の「【新人ディレクター向け vol.1】Web制作における契約書の種類とその範囲」を参照)

しかし長期の案件の場合はどうなるでしょうか。6ヶ月に渡る長期案件だった場合、請求できるのが6ヶ月先になると、とっても体力(会社の資金力)が必要となります。

長期の案件なら分割請求

そうした場合は、分割請求という選択肢もあります。
しかし分割請求するには、それ相応の納品をすることが必要です。

作業していた事実が不可欠なので、要件定義書、仕様書、途中段階のデザインなどを納品しましょう。
なおかつ、請求金額とその成果が見合っていることも重要です。見合っていない場合、厳密には商法上の違反となります。

事前にクライアントと相談し、

  • 分割請求は可能なのかどうか
  • 納品物としてなにを納めるのか

をしっかり調整するようにしましょう!

入金タイミング

これはいわゆるキャッシュフローです。
キャッシュフローも、請求タイミング以上に重要なことです。いくら請求しても、実際にお金が入ってこないと意味がないですからね。。。

入金タイミングは月末請求、翌月末払いとなることが多いです。

しかしこれも注意が必要です。クライアントによっては、月末請求、翌々月末払いと会社のルールで決まっていることもしばしば。
この場合は、5月末に請求すると、実際に入金されるのは7月の末日となります。

これも会社の資金力が必要となってしまうので、入金日を早められないか事前に調整すると良いかもしれません。

手形とは?

そしてもう一つ気をつけたいのが手形の存在ですね。
請求書を送った後、クライアントによっては手形が発行されるケースがあります。

手形は有価証券に分類されますが、会社の信用力で「支払いの約束」をしているだけです。手形には支払期日というものが明記されており、その期日を迎えないと現金化することができません。

支払期日が発行日より3ヶ月後というケースもざらにありますが、そうなると現金化できるのが3ヶ月後になります。この3ヶ月間は入金がないことになるので、契約段階で確認するようにしましょう。

パートナーさんの費用

制作業界では、フリーでお仕事を受けてくれる方がとても多くいらっしゃいます。
いわゆる個人事業主・フリーランサーと称される方々です。
かくいうLIGもたくさんのパートナーさんとお仕事をさせていただいており、その中にフリーランサーの方もたくさんいらっしゃいます。

源泉徴収に注意しよう

そんなパートナーさんにお仕事を依頼したときの請求書で注意したいのが、源泉徴収と呼ばれるものです。
源泉徴収とは「支払者が事前に所得税などを差し引いて、支払いをする制度」のことです。そうです、税金です。

ここでポイントなのが「支払者が納める」ということです。ちょっと例を使って説明します。

例えば100万円でWebデザインをフリーランサーの方にお願いしたとすると、

 
デザイン費用:100万円
消費税   :8万円
源泉徴収税額:-10万2100円
————————————
合計    :97万7900円

という請求書が届くと思います。

100万円のお仕事なのに、源泉徴収税額という項目によって合計が減ってますよね。
これが源泉徴収というもので、総額の10.21%にあたる金額を所得税として支払者が納める必要があるので、減っているのです。

まれに、パートナーさんから請求書をいただいた際、源泉徴収という項目が抜けている場合があります。
請求書から抜けていても、支払側は所得税を納めなければならないので、ちょっと損してしまいます。そのため、抜けていた場合はそっと伝えてあげましょう。
※源泉徴収は100万円を超えると、超えた金額に対して20.42%を所得税として納める必要があります。

フリーランサーの方にお支払いする源泉徴収については、以下のブログで詳しく解説されています。

さいごに

いかがでしたでしょうか。
財務の知識はとっても広く、今回ご紹介したのは現場でよく出てくるほんの一部です。

ディレクターは制作面だけに関わらず、財務の心配もしなければいけないのです。
僕も書いてて改めて勉強になったので、お金周りもしっかり管理できるディレクターになりたいなと思います。

それでは!

 

【なかみーのディレクション心得】

【新人ディレクター向け vol.1】Web制作における契約書の種類とその範囲

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