需要が微妙なBroadwell-Kの売り込みを必死に行うIntelの姿勢はデジャブのようだ。昔のインテルでは想像も付かない状況である。何というか、弱り始めた頃(APUで性能が上がったと言っていたころの)のAMDっぽくなった。そのAMDがALU/FPU性能に回帰し始めたらIntelは、コプロセッサやGPUの活路を語るようになった。 http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20150625_708679.html 8月7日発売というSkylake-Sのアンロック版(Core i7 6700K/Core i5 6600K)は、売れるのだろうか? http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/ubiq/20150625_708689.html まあ、価格を考えないなら結構売れるだろうが、最近の値上がり傾向は国内ではかなりSkylakeにとって痛手である。初期価格は、初代Haswellである4770Kの初期価格3万円台の倍にもなりかねない。 http://kakaku.com/item/K0000516805/pricehistory/ ちなみに、5775Cは価格コムでの最安が税込み49979円(2015年6月25日12:00現在)と辛うじて5万を切る価格であるが、どこを見てもクロックアップ率が低い(廻らない)・・・というコメントが目立つのは、14nmの厳しさを際立たせている。 http://kakaku.com/item/K0000784586/ それがSkylake-Sで大きく変わるかどうかというと・・・なかなか難しいだろう。噂されているRefreshで改善されるかどうかだと思う。 Skylake-Sがもし、5775Cより価格的に高ければ、評判は、先の期待値が高すぎたため当初より振るわず、価格は高いというダブルパンチになる。5820Kが5775Cより安い現実・・・Z170マザーを新規に購入しなければならないことを考えると、X99で5820Kという手も出てくる。 http://kakaku.com/item/K0000688454/ <価格上昇は円安要因だけでは説明できない?> 価格の値上がりは、2013年の6月のおよそ100円(98-101円ぐらい)から124円で24%円安が進んだが、もし円安だけで価格上昇を換算した場合、CPU単価は、Core i7 4770Kで最安価格が36500円ぐらいになるが、現時点では40050円(5775Cと同じ日時時点)である。これまでのプロセッサで考えると、年々ムーアの法則で性能が上がるため、本来時間が経つと価格が落ちるという法則があり、円安になろうが、円高になろうが、下がっても良いのである。しかし、上がっている。 これは、個人PC市場や半導体市場が縮小を始めているるという事も意味するのだろう。 同じプロセッサの後継として4790Kがあるとはいえ、2年たってようやくBroadwellが登場している現実。即ち、2年にもわたって主力として君臨するというのは、これまでのx86のメインストリーム市場では初めてという現状が、これを許しているのだろう。これは、このデスクトップ向けパフォーマンス市場が縮小しているといえる。 また、デスクトップ向け14nmプロセス製造がうまくいかないことで、22nmの価格が下がらないという現実もあるのだろう。14nmが既に潤沢なら、22nmの価格を落として、14nmをその価格に据えれば良いが、14nmの生産量が少ないため、結果的に、22nmでそこを補い併売する。結果的に14nmに付加価値が付くため、価格が上がる。そんなサイクルに見える。 だから結果的に、後継が少し遅れて登場する5820のようなEP系のコアがパフォーマンス系の新コアより安くなるという現象が起きるのだろう。6コア品は、GPUが内蔵されていないため、QSVなどは使えないが、人によってはここで悩むことだろう。 <AMDの復活が急がれる> 正直、今のインテル一辺倒の状況はインテルにとっても他のPCベンダーにとっても不幸である。もうCPUは伸びない。パソコン用のプロセッサは需要が落ちると思われている。しかし、本来は競う相手が他にいれば、価格も下がるだろうし、商品開発スピードも上がるのだ。即ち、AMDが来年投入する世代で魅力的なものを出せば、インテルの尻に火を付ける可能性がありスマートフォンにばかり目を向けていた人々を、多少でもPC市場の競争に再び目を向けさせる事になるだろう。 来年は、インテルにとっては、登場してもSkylake Refreshぐらいしか出ない年になる可能性が高い。Cannonlakeは2017年の予定に後ろズレしているためだ。そのため、来年のAMDがZENで40%アップとする性能を、低めに見積もってくれていて、予想以上に速くなってくれると嬉しい。価格設定によってはインテルを脅かし、CPU価格が下がるかもしれない。そろそろAMDの高性能プロセッサでPCを組む人が、戻ってきても良い時期だと思うのだ・・・。 そんなもっと競争力のある未来を待っている。 |
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