麻生太郎副総理・財務相は30日、政府が計画する所得税改革について「若い子育て世代の負担を高齢者や資産、所得の多い人にまわしてもらう」と述べた。骨太の方針には所得税を中心に税制の総点検を盛り込んだ。経済成長の担い手である若い世代の税負担を減らす方針で、その分は高所得の高齢者らに負担を求める見通しだ。
具体的な制度設計は政府の税制調査会で7月から始める。あらゆる所得控除を見直して、結婚し子どもを育てようとする若い世代を後押しする税制に切り替える。税率は引き上げないで実施する考えだ。制度改革は改正前後の税収額がほぼ変わらない税収中立にする。若い世代の負担を軽減する分を誰が負担するかが焦点だ。
麻生氏は社会保険料の負担増で「この20年で子どもを育てる若い世代の可処分所得が減った。その分、高齢者で資産や所得の多い世代の人が増えている」と述べた。
骨太の方針では税制で「世代間・世代内の公平の確保」をはかるとした。現役世代より手厚い控除が年金受給者に適用される公的年金等控除の縮小などが、今後の政府税調の議論に上る可能性がある。
麻生太郎、高齢者