2015年6月30日20時07分
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設計画が進む同県名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブの海辺で見つかった石について、同県教育委員会は30日、主に中世の琉球船や中国船がいかりに使っていたとみられる「碇石(いかりいし)」と断定し、文化財に認定したと発表した。
名護市の稲嶺進市長は同日、「文化財保護法にのっとって手続きをしていく。試掘などをしていくつか(文化財が)出てくれば、本格調査という段取りになる。きちんと調査すると、(国のボーリング調査は)更に遅れざるを得ない状況になると思う」と記者団に語った。
名護市教委が調査に乗り出す場合、碇石を発見した場所周辺の調査を米軍に求めることになるとみられる。想定される調査区域はキャンプ・シュワブ内で普天間飛行場の移設先にあたるため、移設計画の進展に影響する可能性もある。沖縄県の翁長雄志知事はこの日、「米軍および沖縄防衛局は、貴重な文化財の調査へ積極的に協力いただきたい」と語った。
県教委によると、専門の職員が石を調べ、人為的な加工の跡を確認。「中央にくぼみがあり、木製の碇に固定する部分と判断した」としている。碇石は、市教委が今年2月、専門家とシュワブ内の調査をした際、移設計画地内の海辺で見つけた。長さ57センチ、幅、厚さはともに10センチで、重さ15キロ。
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