中小企業診断士試験のおすすめ教材・テキスト

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はじめに

以下は中小企業診断士試験に合格した筆者が選び抜いた良書です。(iPad等の一部端末ではご覧頂けません) 特に一次試験は一週間で合格しました。ここでは、どんなことをポイントに参考書を選んだのかお話しますが、長いです。結論だけでよろしければ、上のウィジェットが答えですので、以下の文章は読まなくても大丈夫です。

参考書について

中小企業診断士の学習において一番最初のハードルは教材のわかりにくさです。これは、中小企業診断士の試験範囲が多岐にわたるにもかかわらず、限られたページ数で説明しないといけないという事情があるためです。合格に近づくためには、いい教材・いいテキストが不可欠です。

背景を知る

具体的な教材の紹介の前に、中小企業診断士の教材の背景を紹介します。なぜ、このような前置きを入れるかといいますと、背景を知っておいた方が、これから紹介する教材をうまく活用できるからです。なので、少し回り道になりますが、まずは背景からお話します。
広く浅くわからなく
先の「はじめに」の方にも書きましたが、中小企業診断士のテキストは限られたページで、多岐にわたる試験範囲を網羅しているので、一つ一つのテーマがわかりにくくなっています。更に出版元の受験専門学校からすれば、問題に出る分野が教材に入っていた方が、広告・宣伝がしやすいというメリットもあり、無理矢理にでもネタを詰め込んでいるのが現状です。おそらくこの教科書を片手に指導する先生方は、さぞかし苦労されていることと思います。

インプットの質を高める

副教材を利用する
とはいっても、なかなか他に頼るものもないのも事実ですので、この教科書(主教材)を中心に勉強することには変わりありません。ただし、これでは理解も曖昧、すぐに忘れてしまいます。なので、教科書の理解を促進するために、教科書以外の参考書(副教材)を利用します。この副教材の威力を感じることができるのは、財務・会計と経済学・経済政策です。この2教科は知識だけではなく理論も問われる科目です。他の5教科は知識を丸暗記だけでもなんとか乗り切れますが、この2教科だけは理論武装していないとクリアが難しいため、副教材を利用して一気に合格を目指す戦略が有効になります。 0010_01.png
主教材と副教材
以上をまとめますと、「わからないながらもなるべくわかる主教材」と「一気にわかるようにする副教材」のセットがよいと考えられます。それでは引き続き、おすすめの教材について紹介していきます。

おすすめの主教材

中小企業診断士講座を受講するとテキストがドカッとやってくると思いますが、それで賄える場合はそれで十分です。もし、独学でやろうと思っている方、これからやろうとしている方は、以下の組み合わせがいいでしょう。
  • 財務・会計/経済学・経済政策→TBC
  • それ以外→TAC
TACのテキストは充実度は高いのですが、筋書きが読みづらくわかりづらいです。一方、TBCは、学習には適度なわかりやすさで書かれていますが、テーマを取捨選択しているため、充実度が欠けます。ちなみに、U−CANはこの中間といった感じです。
出版社わかりやすさ充実性
TAC×
TBC×
U−CAN
財務・会計、経済学・経済政策はそもそもわからないと厳しいので、TBCの参考書を推奨します。他は知識勝負ですので、充実さを重視したTACの教材を推奨します。また、後述する通勤講座もおすすめです。予備校が作った教材が肌に合わないタイプの方には、よりマッチすると思います。

おすすめの副教材

経済学・経済政策
  • 試験対応 らくらくマクロ経済学入門 改訂版, 茂木 喜久雄, 週刊住宅新聞社, ¥ 2,310
  • 試験対応 らくらくミクロ経済学入門 改訂版, 茂木 喜久雄, 週刊住宅新聞社, ¥ 2,310
経済学はTACテキストを最初に読んでダメだと思い、自分なりに教科書をつくりました。その時の理論の根拠になったのが上記の2冊です。どちらも主教材の1科目相当の分量がありますが、全部やる必要はありません。重要なのは経済学をどのような順番に学習すればわかるのかという点です。本の最初の方に要点が書いてあるページがありますのでそちらを熟読すると、理解が一気に進みます。
財務・会計
  • はじめての人の決算書入門塾―まずはこの本から! ,足立 武志, かんき出版, ¥ 1,365
  • 会計がよくわかる講座, 中島 清視, かんき出版, ¥ 1,470
初めて受けたTACの財務・会計の答錬が8点という結果だった筆者ですが、TACテキストを捨てて上記の2つの本でやり直しました。その後、TBC受験研究会のテキストに切り替えて、財務・会計の合格ラインを突破しました。(株)はちみつベア―のクマ社長をめぐるドラマがアツいです。勉強の合間の休憩にもおすすめです。
企業経営理論
  • なし
どの会社の教材もそうだと思いますが、この科目に関しては十分なボリュームがあります。試験では教材に出てくる内容を基に考えて答える問題が多いので、副教材は不要でした。
運営管理
実体験がないとイメージしにくい科目です。店舗運営はスーパーや商店街に足を運べばいいのですが、工場はなかなか足を運べません。(工場見学ツアーにいければいいのですが…。)そこで参考になったのがバーチャル工場見学のサイトです。製造の流れをイメージできれば理解が早くなります。
経営法務
  • なし
教科書に書かれている内容を暗記しました。過去問も一切解いていません。テスト前にきちんと頭に入れるためのノートをつくることが一番効果的でした。
経営情報システム
  • なし
筆者の専門分野でしたので、試験前に主教材を読んだら無事通りました。経験がない方にとっては難しいため、暗記教科という扱いでしたが、最近は難化しています。ただ、情報システムに関しては、家や会社で必ず触れているはずです。苦手な方は着実にわかる範囲で得点を稼ぎ、他の教科で得点を稼ぐのがいいかもしれません。
中小企業経営・中小企業政策
教科書は前年度までの傾向から、中小企業白書の抜粋をつくっています。そのため制作サイドのヤマが外れたら太刀打ちできません。そこで、中小企業白書に目を通したいのですが今度はボリュームの多さが問題になります。そこで、役立つのが中小企業庁発行のマンガです。重要施策をわかりやすくマンガで解説しているので、一読してから学習をすると効果的です。

アウトプットの質を高める

インプットの質を高めるのと同時に、もう一つ高めるべきものはアウトプットの質です。これは、財務会計と二次試験の2つに対象を絞るといいでしょう。他の教科は記憶が勝負ですが、財務会計は計算プロセスがあり、二次試験は記述が必要だからです。 0012_01.png
財務会計
  • 中小企業診断士試験パーフェクトマスター 財務・会計(選択/記述)セレクト問題集, 鳥島 朗広, 同友館, ¥ 3,150
  • 集中特訓 財務・会計―中小企業診断士試験計算問題集,TAC中小企業診断士講座,TAC出版, ¥ 2,520
二冊ご紹介しましたが、全てのページを行う必要はありません。やるべきところは、キャッシュフロー計算書の作成と、その他苦手としている部分だけで大丈夫です。上記はTBCとTACの問題集ですが、TBCがやさしめでTACは難しめです。TACのテキストだけでは初学者には難しすぎますので、TBCのテキストで十分に理解をしたところで、TACで強化するスタイルがおすすめです。
二次試験
  • 中小企業診断士2次試験「80分間の真実」―合格者15名の再現答案とその思考プロセス,診断士ネットワークゴールデンサミット,日本マンパワー,¥ 2,100
  • 中小企業診断士2次試験 ふぞろいな合格答案 エピソード, ふぞろいな合格答案プロジェクトチーム ,同友館, ¥ 2,520
二次試験は一次試験と違い、文章表現が命です。一次試験は設問に誘導されて知識を頭から引っ張り出す試験ですが、二次試験は与件本文を基に適切な知識を頭から引っ張り出して文章に加工する試験です。合格するためにどのような加工が必要なのかを手引きしているのが上記2冊になります。二次試験の80分は短いです。加工の段階で時間をかけないプロセスを複数もつと、試験で優位になります。是非参考にしてみてください。

時間がない!面倒くさい!とお考えのあなたへ

全教科の教材が必要だけど、時間がなくて選んでいられない。教材選びに失敗して無駄なコストをかけたくないという方は、以下の教材をお勧めします。 筆者が受験生だったときに、こんな教材があればいいなと思ったものそのものです。TACの教材で苦しんだ筆者ですが、これは覚える必要のない無駄なテキストが、未整理のまま書かれていたため、全く頭に入ってこなかったことが原因です。一方、「通勤講座」はその名の通り、通勤時間を利用して学習を進められる形式になっており、ごく短時間で内容が頭に入ってくるように緻密に計算されています。それでいて、TACより安いのです!(受験生時代に出会っていればとホント思いました…。)実際、TACに限らず他の教材を含め、数ある中小企業診断士の教材の中でも最も安価な部類に入っています。中小企業診断士試験の学習では、何らかの教材を準備する必要があります。であるならば、安価で効率性を最も追求した教材は、投資リスクを最小化することにもつながります。無料講座でお試しもできますので、まずは効果を実感して頂ければと思います。
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まとめ

筆者の一次試験の結果は全て60点以上でした。最高点は経済学の80点、最低点は経営情報システムの60点でした。(経営情報システムは、恥ずかしながら筆者の専門分野でございます。)中小企業診断士の一次試験は、戦略にあった努力さえできれば必ず合格できると経験から筆者は思います。特に、良い教材との出会いは大切です。情報ご参考になれば幸いです。
良書は合格を導く。