最後までずっと一緒にいてやっぱりハリネズミは良いペットだと思った

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ペットのハリネズミが死んだ。

おさむは4年前に一人暮らしをしている頃に飼い始めたハリネズミ。初めて一人暮らしを初めて半年、あまり一人暮らしが楽しくなく、何かペットを飼いたいと思った時にネットで色々調べて一人暮らしでも飼いやすいかわいいペットを探して、色んなペットショップで色んな動物を見て、最終的に決めたのがヨツユビハリネズミだった。

まだその頃はハリネズミはメジャーなペットじゃなくて、ネットにも情報があまりなかった。その頃もうハリネズミを買うならこれを読むしかないとまで一部で言われていた「ザ・ハリネズミ」をAmazonで買った。だって普通の本屋のペット本コーナーにもそんな本置いてなかったんだもの、Amazonで買うしかない。

今では考えられないけどその頃僕は片道1時間30分程電車に乗って通勤していた(今は15分だ、超近い)。その多くの時間を「ザ・ハリネズミ」を読む事に費やし、ハリネズミのWeb上にある情報を隅から隅まで探し、画像を見てかわえぇと思った。

そしていざ飼う事を決意した。理由はたくさんあるけれど、鳴き声がない、散歩がいらない、噛まれても痛くない(らしい)、という理由が大きな3つの理由だった。僕は動物に噛まれるのが恐怖なのだ。

この時もまだ近くのペットショップにはハリネズミがいなかった、またいても1色、ソルトアンドペッパーしかいなかったから、その頃付き合っていた彼女を助手席の乗せて、東京に住んでいる幼なじみの友人を拾って、東京のハリネズミを専門としているお店に向かった。

この時オスがいいとは決めていた。理由はオスの方が懐くと思ったから。実際にあまり懐かなかったけど。

店内には確か8匹とかそれくらいのハリネズミがいた。その時パッと見でこれかわいいぞと思ったのがホワイトカラーのおさむだった。

「このハリネズミはオスですか?」

と店員さんに聞いて、店員さんは多分僕に人懐こい子だと思わせたくて素手で抱っこしようとして結構手こずっていた。そして抱っこしてお腹を見てオスである事を確認してくれた。

その時にケージと餌入れ、ウォーターボトルにサイレントホイールなどなど必要なものを全部一式で購入した。あまり覚えていないけどハリネズミ個体が19800円、他の道具が一式で15000円くらいだったと思う。

そして家に帰って元彼女と2人でケージを組み立てて、恐いので一緒に買った薄手の革手袋で抱っこしケージの中に入れた。

▼まだ家にきて初日のおさむ
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この頃僕は1LDKに住んでいたのだけれど、寝室としていた部屋のど真ん中にケージを配置した。全くもって邪魔という事で元彼女とは小さな喧嘩をした記憶がある。

事件は1日で起きた。

土曜日におさむを迎えたのだが、深夜にケージを見るとおさむがいなかった。焦ったのだけれどキッチンから物音がするので向かってみると空き缶を入れたビニール袋のところにおさむがいてわしゃわしゃ何かしていた。

すぐに回収したのでどうやって外に出たんだ?と思っていたが、そのあとケージに戻すとケージの隙間からすんげー無理すると出ていける事がわかった。だって目の前でそうやって脱走してくれたから。

それを見てケージの3方にプラスチックの壁を設置&1方を壁にし対策をした。そしてまた寝たら朝またケージの中におさむはいなかった。

どうやらケージの上に登って天井のケージの隙間から脱出したようだった。風呂場に行くとおさむが寝ていたので回収し、ケージに戻した。天井のケージの隙間は針金で補強した隙間を半分にした。

▼子供の頃はめっちゃ好奇心旺盛だった。
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しかし、数分後におさむが片方の前足を使わないで歩いている事に気づいた。死ぬ程あせった。

実際飼う前にハリネズミを診てくれる動物病院が住んでいる市にある事はわかっていたので、すぐに電話をした。日曜日でもやっていたのはラッキーだった。

連れて行き診てもらうと前足を骨折していた。レントゲンやら注射やらをして合計確か3回病院に行ったのだが、なんだかんだ3万くらいかかった。手と金のかかるハリネズミだと思った。

この時にそういえばおさむと名付けられたんだ。まだ名前を決めていなかったのだけれど困った事に動物病院の診察券は飼い主ではなく、ペットの名前になる。カルテもそう。

なので診察前の質問用紙に答えている時にペットの名前欄で詰んだのである。横にいた元彼女に聞いたら、「じゃあ最近向井理が好きだから”おさむ”」という事でおさむになった。

ちなみに僕の苗字は柬理なので、感じにすると「柬理理」と理という漢字が2連続になる。完全にバカである。

ケージだと登ったりと骨折した腕に良くないので、その時家にあった巨大なAmazonのダンボールで簡易的な住処を作った。また、手が折れているのでスキンシップは辞めてくださいと言われ、大切なベビーの時期のスキンシップを怠った僕は結局おさむに懐かれる事はなかった。まぁ眠くない時は針を立てない時もあってそこまで嫌われてはいなかったのが救い。

そして1ヶ月だか2ヶ月しておさむの骨折は治り、おさむ完全体へと戻った。

▼クビの後ろを持つと怒ったような顔になる。あんまりやるとストレスだと思ったから1枚写真撮ってやめた。
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それからおさむはかなり元気にずっと生きた。エサはもりもり食べるし、脱走ができなくなったとはいえケージを登るし、たまに一時避難ケージから脱走しては部屋に糞をまき散らした。

僕はハリネズミの情報がまだまだネットにないなぁと思っていたので、2012年の5月にこのブログを立ち上げてからはハリネズミの記事をバンバン書いた。

おかげでその頃も今もハリネズミ記事は多くの人に読まれている。これもおさむのおかげだ。

この頃も僕におさむはそこまで懐いていなかった。よくYoutubeでは素手で抱っこしたり触ったりしている飼い主さんがいるが、僕はがんばればできたけど大体おさむにふしゅふしゅ言われて針を立てられるのでダメだった。チクチクするしさ。

なので掃除の時や時たま5分くらいスキンシップをする時も薄手の皮の手袋をした。

たしかに1歳頃だったか、この頃まだおさむは噛み癖があって一度だけ僕も噛まれた事がある。でもハリネズミは顎が弱いので全然痛くなかった。そんな事も知れたりした。

▼エサを食べるおさむ
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その頃僕は仕事を辞めてお金もなかったし、あまり一人暮らしが楽しいとも思えなくて実家に戻る事にした。もちろんおさむも連れて帰った。

連れて帰った初日はケージを設置できるスペースが確保できなかったので、掃除の時に使っている一時退避用のケージで一夜を過ごしてもらった。しかしこのケージはすでにおさむのフルパワーに勝つ事ができずにもれなく脱走してリビングのどこかにおさむが消えた。

僕は何回もおさむに脱走されているおかげで、脱走したハリネズミを探す方法は熟知していた。難なくおさむは確保された。

そして父と母もハリネズミのおさむを見て、こいつはかわいいと可愛がった。僕が仕事でいない日や旅行の日は父がよくエサを上げたのだが、結構父はおさむにエサを上げたがっていたように思う。

▼手からエサは食べてくれる。そこまで嫌われてなかったのかなぁ
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そしておさむが2歳の時にブログ経由でNHKの番組作成会社から連絡をもらった。

珍しいペット特集の番組という事で出演の依頼だった。おさむと一緒に友人の車に乗って渋谷にあるNHKまで向かった。

リハーサルの時はいつも使う薄手の革手袋を使わないで、素手で抱っこしてみた。多分ハリネズミの普段飼っている人でおさむのように荒ぶる獅子の心を持つようなハリネズミでない飼い主の場合、恐らく素手で飼っているだろう。

その飼い主が見て「ふっ素人」と思われるのが嫌だったから素手にしてみた。

しかし、本番ではかなりの荒ぶりを見せつけたので本番だけ革手袋を使用した。そしておさむにはおさむ自身が買われた時とほぼ同じくらいの金額が出演料として支払われた。本当に良く出来たハリネズミである。働くもの食うべからずは僕はハリネズミから学んだ。

▼新しいスマホを買った時に横にいたおさむ
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それからも毎日毎週餌を上げたり、掃除をしたりする度にいつも僕にはフシュフシュしては針を立てたけど健康は崩すことなくいつも元気だった。ずっと元気に育ってくれた。

たまに夜10時頃に帰ってきて暗い部屋に電気をつけると、いつも餌を置く小屋の上に登って待っている事が最後の1年くらいにはよくあった。これは結構可愛くて帰ってすぐにニヤニヤしたものです。本当にハリネズミはかわいいものです。

そしてとある土曜日の小屋全てを水掃除する為に抱っこした時になんだか緑のうんちをずっとしているなぁと感じた。ハリネズミがストレスを感じた時には緑のうんちをよくするのだけれど、それが2日、3日と続いていた。

しかもいつもの荒ぶりがなく、地面に置いても僕から逃げないのでこれはなんか変だ。と思った。餌もあまり食べないし、ゆでたまごを与えても食べないのでこれはさすがに変だ。と思った。

この日が日曜で動物病院が休みだったので、次の日の月曜日に会社から帰ってきてから病院に連れていこうと思ってその日は寝た。

▼あまり動かなくなったおさむ、いつもだったら針を立てるこの角度でも元気がない
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次の日の朝起きるとおさむが抱っこしても暴れないだけでなく、丸まって防御態勢もとらないのでこれはヤバイと思った。会社に許可を取って朝一で動物病院に連れて行くと体温が低いという事だった。

また脱水も起こしており、吐き気もある。事実先生のお腹のマッサージでおさむが2度3度吐いていた。それが凄く今も鮮明に覚えているのだけれどすごく苦しそうで悲しくなった。

多分腎臓か肝臓に疾患が起きているのでしょう。という事で栄養剤と腎臓肝臓疾患用の薬を混ぜた点滴を打ってその日の治療は終わった。

タクシーの帰りでおさむはいつものお腹を隠すような態勢でなく、お腹を見せるように横になっていた。嘔吐と注射で体力が落ちているのだろうと思った。

帰ってすぐ先生に言われたようにペットヒーターを設置して、おさむを温めた。

30分程様子を見てた。少し丸まって逃げる事なく、僕を見ていた。あれは警戒しているのかどうかわからなかったが、いつも針を立てて見てくれないおさむがずっと見てくれているので、なんだかちょっとうれしいなぁと思った。

丸まる事もできたのでちょっとだけ安心して出社した。会社の人には明日もおさむを動物病院を連れて行くので早く帰りますと伝えておいた。

そしてその日会社から帰って、吐き気があるから食べるかわからないけれどおさむの為にゆでたまごの準備だけし、部屋を覗くとおさむの姿がなかった。小屋の中にいた。

小屋を手で上げてみるとおさむがお尻を向けていた。その瞬間何か変だと思った。いつも小屋を上げた瞬間針を立てるのに、全く動きがなかった。触れてみると全く動かないちょっと堅くなったおさむだった。死んでいる事はすぐわかった。

おさむを抱っこするとすごく悲しくて涙が出た。

凄く悲しかった。めちゃくちゃ悲しかった。

もっともっとおさむの写真や動画を撮っておけばよかったなぁと後悔した。

その日から数日はふとした時に涙が出るし、仕事もあまり手がつかなかった(すいません)、ふとした時にハリネズミの写真とか動画をか会社で見ていた(重ね重ねすいません)。

おさむが死んでから気づいたんだけど、僕は家に返って部屋に入ると電気をつけておさむのケージを覗きこむくせがある事に気づいた。空っぽのケージを最初に覗きこむのがまだくせになっている。これが結構悲しい。

おさむが動物病院に頻繁に通う事になるだろうからと、ATMで降ろした結構多くのお金は結局使われる事はなかった。本当によくできたペットかもしれない。別におさむの為なら全然使ってもよかったのに。

もう大分落ち着いたけど、1週間程して「おさむかわいい」とケージごしにちょくちょく見ていた4歳の甥っ子が家に来た時、「おさむなんでいなくなっちゃったの?」って言われた時はなんだか凄く悲しい気持ちになった。

ハリネズミはやっぱり良いペットだと思う。散歩はいらないし鳴き声もない、めちゃくちゃかわいい。一人暮らしにも最適だ。

また今すぐハリネズミを飼う気なんて全然ないけど、またペットが飼いたくなったらまたハリネズミを飼うのかなぁと思う。

おさむは良い奴だった。


▼エサがふやけるまでまちきれないおさむ。多分、2歳頃かな。本当に昔は元気なハリネズミだった

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