新幹線火災 不審行動の経緯と動機は 殺人・放火容疑で捜査
産経新聞 7月1日(水)7時55分配信
東海道新幹線の放火事件で、神奈川県警による捜査の焦点は、林崎春生容疑者が犯行に至った経緯と動機の解明だ。県警捜査1課は捜索令状を請求するにあたり、現住建造物等放火容疑だけでなく、殺人容疑も加えた。同課は、第三者である桑原佳子さんが亡くなった点を重視。「未必の故意」による殺意の立証も視野に入れた上で捜査する方針を明確にした。
県警によると、林崎容疑者の焼け残ったズボンのポケットから免許証のコピーが見つかり、身元の特定につながった。デッキ付近で発見された林崎容疑者のリュックサックからは歯ブラシやたばこ、ティッシュなどの持ち物も見つかった。遺書は見つかっていない。
乗客らは林崎容疑者の不審な行為を繰り返し目撃していた。車両が新横浜駅を出発した際には、黒のベストに黒のズボン姿で1号車の通路を何度も行き来していたという。
油のようなものをかぶる直前には、近くにいた60代女性に「拾ったのであげる」と話しかけ、千円札数枚を差し出した。断られると再び通路をうろつき始めた。「たばこをどうだ」。そう声を掛けられた乗客がいらないと応じると、林崎容疑者は「危ないから出て行け」と言った。
自宅のアパート周辺でも異様な行動が目撃されていた。近くの50代男性は「半年前に(林崎容疑者の)部屋の窓ガラスが割れていた。自分でガラスを割って室内に入ったようだ」と話した。林崎容疑者は1人暮らしだったとみられる。
読み込み中…