SARVH [社団法人 私的録画補償金管理協会]



私的録画補償金制度のすべて

III. 私的録画補償金(SARVH)の役割

1. SARVHとは

SARVHは、購入者が支払った補償金を、二つの製造業者団体を通じて受領し、また外国製品については輸入業者から受領して、権利者に補償金を分配する一般社団法人である。平成11年(1999年)3月26日に、文部大臣、通商産業大臣(いずれも当時)から社団法人の許可を受け、さらに同年3月30日に文化庁長官から「補償金を受け取り、権利者のために分配する権利を行使できる指定管理団体」としての指定を受けた(第104条の三)。

会員は、設立者の私的録画著作権者協議会、公益社団法人日本芸能実演家団体協議会、一般社団法人日本レコード協会の3者である。また、役員(理事、監事)は、これら団体加盟の権利者15団体代表、有識者(学識者、製造業者団体代表など)から総会の承認により選任され、理事会によって運営されている。

なお、SARVHから分配された補償金が上記3団体を通じて個別の権利者までスムーズに分配されるために、各権利者団体はそれぞれ分配規程を設けている。

注: 私的録画著作権者協議会は、第21条に該当する著作権者の団体(映像製作、音楽、文芸)の各団体で構成され、補償金制度にかかわる規定(第104条の三第1項第二号ロ)によりつくられた任意団体である。

<参考>
(複製権)

第21条

著作者は、その著作物を複製する権利を専有する。

(指定の基準)

第104条の三 第1項

文化庁長官は、次に掲げる要件を備える団体でなければ(中略)指定をしてはならない。

  1. 一般社団法人であること。
  2. (前略)同項第二号に掲げる私的録音録画補償金に係る場合についてはロからニまでに掲げる団体を構成員とすること。
    1. (略)
    2. 私的録画に係る著作物に関し第21条に規定する権利を有する者を構成員とする団体(その連合体を含む。)であって、国内において私的録画に係る著作物に関し同条に規定する権利を有する者の利益を代表すると認められるもの
    3. 国内において実演を業とする者の相当数を構成員とする団体(その連合体を含む。)
    4. 国内において商業用レコードの製作を業とする者の相当数を構成員とする団体(その連合体を含む。)
  3. 前号イからニまでに掲げる団体がそれぞれ次に掲げる要件を備えるものであること
    1. 営利を目的としないこと
    2. その構成員が任意に加入し、又は脱退することができること
    3. その構成員の議決権及び選挙権が平等であること
  4. (略)

2. SARVHの目的

SARVHの目的は定款で、

  1. 著作権者、実演家、レコード製作者のために私的録画補償金を受ける権利を行使し、これら権利者に分配する
  2. 著作権および著作隣接権の保護に関する事業等を実施し、もって文化の発展に寄与する

ことを定めている。

3. SARVHの事業

SARVHの目的達成のための事業として、以下の事業を定款で定めている。

  1. 私的録画補償金の額の決定、徴収および分配、その他私的録画補償金を受ける権利の行使に関する事業
  2. 著作権制度に関する思想普及および調査研究
  3. 著作物の創作の振興および普及
  4. 著作権および著作隣接権の保護に関する国際協力
  5. デジタル録画用機器およびデジタル録画用記録媒体の開発に伴う著作権及び著作隣接権を保護するための技術的手段に関する調査研究
  6. その他この法人の目的を達成するために必要な事業

4. SARVHの組織

SARVHの組織は、理事会のもとに4つの委員会が設置され、制度全体の運用にかかわる諸問題を協議することにしている。各委員会と任務は次のとおり。

  1. 分配委員会

    私的録画補償金の権利者への分配に関する方針およびその実施の基本方策、ならびにこれらに関する事項について調査、研究し、または審議する。

  2. 共通目的委員会

    上記3に定める各項の事業に関する方針およびその実施の基本方策、ならびにこれらに関する事項について調査、研究し、または審議する。

  3. 返還委員会

    私的録画補償金の返還請求の審査、返還の取り扱いに関する方針およびその実施の基本方策、ならびにこれらの事項について調査、研究し、または審議する。

  4. 補償金委員会

    私的録画補償金の額に関する基本方針およびこれに関連する事項について調査、研究し、または審議する。

このページのTOPへ戻る