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六 バーベキュー殺人事件
名探偵の織田原と伴刑事が夕食を食べ終わったかどうか分からないうちに、二人がキャンプしていた森のキャンプ場で、古村が慌てて駆け込んできた。
「すぐ来てください!!」
古村が叫んだ。
「羽生が殺されたんです!!!」
彼がキャンプしている場所まで行く約五分間、何が起こったのかを古村が説明した。
「ちょうど1時間前です。ちょうど僕と羽生がバーベキューをしていて、コーヒーを飲もうとしていたら、森の中からライフルを持った一人の老人が現れてたんです。手をあげろと言うので、この森の主かハンターだと勘違いしました。羽生が逆上してその老人に飛びかかっていったら、その老人は大きな石で羽生の頭を殴りつけたんです。結局二人共、その老人にロープで縛られて金を盗まれました。僕は必死でロープを解くと、羽生のロープも切りました。でももうその時には、羽生は息をしていなかったんです。とっさに伴刑事がこのキャンプ場の近くにいることを思い出して、焚き火を目印に探して、ここまで来たんです」
古村のテントに到着すると、緒田原の眼差しは一層厳しい感じとなった。
羽生は焚き火の横に仰向けで倒れていた。
先程、古村が説明した通りに、死体のすぐ側に数本切れたロープが散らばり、凶器となった血まみれの石も現場に転がっていた。
寝袋とナップザックが二つずつ地面に置かれている。
大きなテーブルの上には確かに二人分と言える、皿、割り箸、焼肉のタレ、コーヒーカップが置かれていた。
しかしコーヒーカップは使われた形跡がなかった。
「んー恐らく羽生さんが死亡したのは約1時間前、死因となったのは頭の傷のせいでしょう」
緒田原が言った。
それからしばらくは、焚き火がパチパチ、シューシューと音を立てていた。
小さなポットに入っているコーヒーはグツグツ煮えたぎっていて、コーヒーの滴が滴り落ちて、燃えている丸太にまで飛んでいるせいであった。
数秒間の沈黙の後、緒田原が「んっふふふ・・・。かなり巧妙な殺人事件のような現場でしたが、古村さん。でも残念ですが、たった一つだけ致命的なミスがありましたよ」
問六 そのミスとは一体何だったのでしょうか?
(制限時間1分間の推理をして下さい。答えは下記の通り)
正解六
その老人が羽生を殺す前に、古村の説明によれば「一時間前」から小さなコーヒーポットに火をかけていたんですよね。
そのコーヒーはかなりの量が蒸発して、外まで滴が飛び散っていました。
その残量は少ない筈です。
ですから緒田原は、古村が伴刑事を呼ぶ直前に、その小さなコーヒーポットを火にかけたのだと推理しました。
緒田原任三郎でした……。
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