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四 死んだフィギュア・コレクター殺人事件
フィギュアコレクターのグリーンリーフアパートの寝室で、井上の死体が発見された。井上は刃渡り20cmのナイフで刺されていて、乱れたベットから1メートルほど離れたところで倒れていた。
「死亡推定時刻は午前八時半、つまり発見時刻の30分前です」
勝村警視が名探偵の織田原に言った。
「韓国某所で開かれているフィギュア・コレクター自慢大会に出席している、佐藤に連絡しました。彼の話では、昔からの友人であり、フィギュア・コレクターでもある井上を先月呼び寄せたのは、聴力回復手術だったそうです。犯人は合鍵を使って佐藤の部屋に忍びこみ、珍しいレアもののフィギュアを盗み出そうとしたようです。侵入者に気づいた井上は泥棒ともみ合いとなり、恐らく殺害されたのでしょう。佐藤がフィギュアをしまっていた金庫は開けられていませんでした。現在の段階では、フィギュアが盗まれた形跡はありません」
「一体誰が、警察に通報したのかね?」
織田原が訊いた。
「このアパートの隣人の清水です。清水が出勤しようとしたところ、佐藤の部屋のドアが開いていて、しかもけたたましく目覚まし時計が鳴っているのが聞こえたので、その様子を見に行ったそうです。そして、床に倒れている井上を発見したというわけです」
「佐藤が韓国に行ったのはいつの事で、彼自身がそこにいる確認はとったのかい?」
織田原が尋ねた。
「佐藤が韓国に向かったのは確かに三日前です。韓国のホテルの支配人に確認したところ、この三日間とも佐藤を何度か見かけたと断言しました」
「そうか、どうもありがとう」
ニヤリとしながら織田原は言った。
問四 名探偵織田原は一体誰を疑っているのでしょうか?
(制限時間1分間の推理をして下さい。答えは下記の通り)
正解四
清水です。彼はけたたましく目覚まし時計が鳴っているのが聞こえたと言っていますが、それが致命的なミスを犯しているのです。
耳が悪い井上が目覚まし時計をかけるはずがありません。
織田原任三郎でした……。
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